生成AIを用いた技術領域の自動可視化システムを構築、有望製品の開発に活用
デクセリアルズと三菱総合研究所(以下、MRI)は2024年11月7日、迅速な新規事業探索および他社に先駆けた有望製品の開発につなげるべく、生成AIを用いた技術領域の自動可視化システムの構築を開始したと発表した。
技術領域の自動可視化システム構築の背景
デクセリアルズではこれまで、膨大な量の技術文書や論文を担当者が読み込むことで、既存技術の異なる分野への応用に向けた探索や、新素材/デバイスの開発を慎重に進めてきた。 しかし、1つの研究開発領域の中でも要素技術が複雑に関係しているため、その関係性を明らかにし、有望な要素技術を発見するのには大きな障壁があった。 具体的には、新規研究開発領域では、関連する知識や情報が不足するケースも多く、担当者は時間をかけて理解を深める必要がある。担当者による知識のばらつきや知見/ノウハウの共有にも課題を抱えていた。 そこで、デクセリアルズとMRIは、2022年からAI(人工知能)を活用したPoC(概念実証)を行ってきた。その結果、AIによって、求める事業領域の技術資料を選定、解析/図化し、素早く必要な材料をそろえることができるなど、複数の成果を得た。 この成果を基に、技術領域の自動可視化システムを構築し、新規事業探索部門で業務効率化と知見/ノウハウの共有を進める。将来は、研究開発の現場でも、生成AIの活用により、迅速にかつ多様な分野での業務遂行を実現させることを目標とし、検証を加速する。 デクセリアルズでは、今後も生成AIの実業務での活用方法を検証し、新たな可能性を探求していく。MRIでは、今回の取り組みを通じて得られた技術文書の読解/解析に関する知見を、同社の生成AIソリューション「ララサポ」のラインアップ拡充やコンサルティングで活用し、顧客の新製品および新技術の開発を支援する。
AIを活用したPoCの成果
AIを活用したPoCの成果は、AIにより「大量の技術資料や論文を解析し長所/短所の分析を行い、要素技術を抽出し、要素技術の関係性などを可視化できた点」「要素技術の特徴や課題、将来性などを多くの論文から自動的に分析/整理した点」「検討ステップを保管し、当該分野の再調査や別領域の探索にも同一プロセスを適用可能だった点」「属人的な調査ノウハウを組織として蓄積/共有した点」となる。
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