「高すぎる物価をなんとかしてくれ!」【経済音痴】石破総理には絶対届かない「国民の悲痛な叫び」
石破総理の外交問題について論じた『石破総理の「アジア版NATO」が世界で「総スカン」を食らうヤバい理由…「アメリカ支配からの独立」を口にした政治家を待つ「恐ろしい末路」』に続き、経済政策を分析する。 【一覧表】「変節」してしまった石破総理の「持論・政策」
マーケットに嫌われた男
「石破茂さんは総理に就任するまで、アベノミクスを見直すと言ってきました。これが彼の信念ならば仕方のないことですが、フタを開けてみれば、経済政策はアベノミクスを継承するようです。ここで問題となるのは、石破さんの経済政策には一貫したストーリーがないということです」 こう話すのは、元日銀審議委員で、名古屋商科大学ビジネススクール教授の原田泰氏だ。 石破総理の経済政策、イシバノミクスが「変節」したと批判を浴びている。総裁選中は「金融所得課税の強化」や「利上げ」に積極的と見られてきたが、総理に就任するや一転、金融所得課税も利上げも引っ込めた。 原田氏が続ける。 「私は金融所得課税の強化にも利上げにも反対ですが、石破さんのこうした政策を支持する人もいるわけです。だから総裁選で勝てたのでしょう。 ところが、実際に株価が下がるとすぐに封印してしまいました。あっさりと考えを変えるということは、つまり一貫したストーリーをよく考えていなかったということだと思います」 異次元の金融緩和によって為替を円安に誘導して、輸出企業を中心に業績をテコ入れして株高を演出し、労働者の雇用を創出する。おおまかに言えば、これがアベノミクスの根幹だ。岸田文雄前総理はこれをさらに推し進め、さらなる株高(と一時的な賃上げ)に導いてみせた。その弊害として、過度の円安による物価高で、国民が疲弊しているのも事実だろう。 この流れに棹さして、物価高を食い止めようとする意図が、石破総理の政策からは読み取れた。すなわち、金融政策を正常化し、「安すぎる円」を是正して、物価の上昇を落ち着かせる。 しかし、こうした方針が金融市場から嫌気され、石破総理が自民党総裁に就任した翌週、日経平均株価は2000円に迫る大暴落となった。 「これで石破さんは従来の金融正常化政策を撤回して、日銀の植田和男総裁と会談し、緩和を継続すると言い出しました。そうなると、今後は円安ドル高がジリジリ進むと思います。日経平均株価はそれにつられて4万円を再び超えていくのでしょうが、恩恵を受けるのは大企業や富裕層だけ。上場していない中小企業に勤める人には何の関係もありません。 石破さんは最低賃金を全国平均1500円にすると明言してはいますが、すぐにできることではありません。国民に物価高が重くのしかかり、日本経済は消費が抑制されるスタグフレーションに陥ってしまうのではないでしょうか」(経済ジャーナリストの磯山友幸氏)