茶道を通じて平和を訴える活動続ける 裏千家 元家元の千玄室さん(101) 特攻の経験語る
大分県別府市で戦争や平和について考える講演会が開かれ、茶道裏千家の千玄室さんが特攻隊員だった経験をもとに平和の大切さを訴えました。 【写真を見る】茶道を通じて平和を訴える活動続ける 裏千家 元家元の千玄室さん(101) 特攻の経験語る 「平和を考える市民の広場」は別府市と市教委が毎年この時期に開催しています。今年は千利休から数えて15代目の裏千家家元だった千玄室さんが「平和を使わなくてよい平和」と題して講演しました。戦時中、特攻隊員だった千さんはこれまで70か国以上を訪れ、茶道を通じて平和を訴える活動を続けています。 講演の中で千さんは特攻を控えた仲間の一言がいまでも忘れられないと話しました。 (千玄室さん)「『生きて帰ったらな、お前のところの茶室でほんまのお茶飲ましてくれや』。仲間は死ぬのが分かっているのにそう話して、それを聞いたときに私も生きて帰れないと思った」 終戦から79年。いまだ各地で戦争や紛争が続くなか、千さんは101歳となった現在も誰もが「一椀のお茶」を味わうことができる世の中をつくっていきたいと語ります。 (千玄室さん)「自分の家の中でみんなが仲良く、この精神さえあれば戦争のない本当の心豊かな平和な世の中が生まれる」 (来場者)「体験した人から直接話を聞くことで、苦しみとか悲しさが伝わってきた」「いさかいがあると思うけど、改めていきたい」 会場ではこのほか原爆の悲惨さを伝えるパネルも展示され、訪れた人が平和の尊さへの理解を深めていました。
大分放送