トランプ・メディア株が乱高下、大統領選巡る変動が投票日夜まで続く
(ブルームバーグ): 米大統領選の結果が待たれる中、共和党候補トランプ前米大統領のソーシャルメディア企業の株価が5日の時間外取引で乱高下している。
トランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループの株価は、米東部で投票が締め切られた時点で25%余り上昇。その後、米東部時間午後8時(日本時間6日午前10時)時点で10%高に上げ幅を縮小した。同社株は過去8営業日に上下いずれかの方向に10%以上変動する不安定な動きが続いていた。投資家は開票が始まった大統領選の結果予測に同社株を利用しており、5日の時間外取引の出来高は1900万株余りに上った。
トランプ氏が勝利すれば、トランプ・メディアが運営するソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」にユーザーを呼び込む可能性があると考えられている。トランプ・メディアは株式上場して以来、新規ユーザーと広告主の獲得に苦戦しており、ハリス氏が勝利した場合、低迷が続く可能性が高い。
ニューヨーク大学のマイケル・オルロージュ教授(法学)は「この上昇は概して、トランプ氏に対するミーム株のような熱狂によるものだろう」と指摘。「トランプ氏が選挙に勝てば、さらに上昇する可能性が高い。トランプ氏が負ければ、株価はかなり大きく下落するだろう」と予想した。
10月には株価が2倍強に上昇した。世論調査でハリス氏が選挙戦に参入して以来続く接戦状態にほとんど変化がないことが示されたにもかかわらず、賭け市場でトランプ氏が優勢との見方が台頭したことが背景にある。
ただ、選挙結果がどうなろうと、同社の長期的な見通しを読み解くのは難しいと、同社を追う教授や投資家は指摘する。オルロージュ教授は、トランプ氏勝利が同社の企業価値の向上につながるとは限らないと述べ、同社が現在赤字で、ユーザー基盤の拡大に苦戦していると指摘した。
原題:Trump Media Swings as Election Volatility Spills Into Night (1)(抜粋)