「電荷」「電場」「電位」、じつは三位一体の存在だった…身近にあるのに意外と知らない「コンデンサー」の仕組み
物理に挫折したあなたに。 発売即重版が決まりたちまち4刷となった『学び直し高校物理』では、高校物理の教科書に登場するお馴染みのテーマを題材に、物理法則が導き出された「理由」を考えていきます。 【写真】なぜ「簡単な部品」なのに電気が蓄えられるのか?「コンデンサー」の謎を解く 本記事では、〈電気回路に不可欠の電子部品 「コンデンサー」の謎を解く! なぜ「簡単な部品」なのに電気が蓄えられるのか〉にひきつづき、コンデンサーについてくわしくみていきます。 ※本記事は田口善弘『学び直し高校物理 挫折者のための超入門』から抜粋・編集したものです。
「電荷」「電場」「電位」、実は三位一体の存在
さて、ここで、再び「電荷」に登場していただこう。 クーロンの法則でも説明したとおり、電荷(Q)とは、帯電したものが持っている電気のことで、陽子に比べて電子が多いと-に帯電し、電子が少ないと+に帯電する。電荷の量のことを「電荷量」あるいは「電気量」という。ちなみに公式は以下のようになる。 ---------- 電荷(Q)=電気容量(C)×電圧(V) ---------- ここで、「電場」という、ややこしい概念にも再登場していただく。「場」とは、目には見えないが、その中に置かれる物体に力を与える空間のことをいう。前述したように、電場とは、ひらたくいえば、電荷が電気的な力を受ける空間のことを指す。「電場」は「電界」と呼ぶこともある。 電場の強さ(E)は、空間の1点に電荷を置き(点電荷という)、この電荷が受ける力(電気力)で表す。 実は電圧(V)は、この電場の強さ(E)に逆らって、点電荷を動かす仕事量として表すことができる。式にすると、 ---------- 電圧(V)=電場の強さ(E)×電荷を動かす距離(d) ---------- となるので、電場は、次の式で表すことができる。 平行板コンデンサーの間の電場は、電圧を極板間距離で割ったものとする式は、高校物理の教科書に書かれているが、これがその説明である。