【簿記の知識不要】「実は倒産しそうな会社」がわかる“7つの数字”【税理士が解説】
チェックポイント7選をまとめると…
今回解説した7つのチェックポイントをまとめると次の通りです。 ---------------------------------------- <貸借対照表のチェックポイント7選> ◆現金預金…固定費の半年~1年分のキャッシュはあるか? ◆売掛金…金額は売上の何ヵ月分か? 回収できないリスクはないか? ◆棚卸資産…在庫は何ヵ月で売り切れるか? 不良在庫はないか? ◆固定資産…多額の含み損は発生していないか? ◆流動負債…流動資産と比べて金額は小さいか? ◆固定負債…長期借入金は理論上あと何年で返済できるのか? ◆純資産…営業年数に応じた繰越利益剰余金は確保できているか? ---------------------------------------- 「現金預金が何となく少ない」と感覚的にチェックするのではなくて、「現金預金が固定費の3ヵ月分しかない」と具体的な数字で把握することで、「少なくともあと固定費3ヵ月分のキャッシュを確保する必要がある」などの対策を考えることができます。 売掛金や棚卸資産も同じで、具体的な数字でチェックすることで、「売掛金が売上の3ヵ月分もあるのはなぜ?」「在庫回転期間が2ヵ月から3ヵ月に増えているのは仕入れ過多では?」など異常事態にすぐ気づくことができます。 このチェックポイント7選のいずれかで悪い数字が出ていたら、多かれ少なかれ会社はリスクを抱えていることがわかりますので、なるべく早く原因を調べて対策を練りましょう。
貸借対照表の定期チェックで財務体質を改善
経営者の仕事は、会社の数字を見て、お金の使い方を考えることです。貸借対照表をチェックしていない経営者は、確定申告書をチェックしていない税理士と大差ないぐらい、大事な仕事ができていないことになります。 その問題を解消するために、貸借対照表の見方やチェックポイントをできるだけわかりやすく解説させていただきました。 貸借対照表を定期的にチェックできるようになれば、会社の財務体質は確実に改善していけるはずです。この記事を保存しておいて、いつでも見返せるようにしておいてくださいね。 板山 翔 板山翔税理士事務所 代表、税理士 平成28年に日本初のオンライン専門の税理士事務所を開業。塾講師歴7年、大手WEBメディアで連載を持つなどの異色の経歴を持つ。5人以下の小さな会社の経営者へ向けて、様々なメディアで情報を発信しており、YouTubeチャンネル「税理士ショウの超わかりやすいビジネスQ&A」は動画9本で登録者1,000人を超えるなど急成長している。
板山 翔