能登液状化被害、住宅1万超か 石川と新潟、傾きや断水
能登半島地震で、石川県西部の内灘町や新潟市の住宅などに液状化で大きな被害が出ていることが30日、分かった。両市町の罹災証明書の発行申請は計1万2394件(29日時点)に上る。担当者は「大半は液状化が原因とみられる」などと説明。住宅は傾き、断水も続く。住民は被害を訴えるが、復旧への人的支援は不足している。 金沢市から車で約20分の内灘町。板チョコレートのように割れた道路、斜めになった花壇―。隆起したアスファルトの隙間からは土の地面が見える。 「怖かった。逃げようとして自宅玄関を開けたら目の前の道路から水がばーっと噴き出て、膝下までぬれた」。同町の避難所にいた80代女性は県内で最大震度7の揺れがあった1日を振り返り、声を震わせた。 パート女性(63)の乗用車はタイヤが大量の泥水に漬かった。傾いた自宅で過ごすと気分が悪くなるという。「結婚後40年間住んだ家。できれば離れたくないが…」。無職中居俊邦さん(67)は「昔からこの辺りは液状化が起きると聞いていたが、こんなのは初めて」と声を落とした。