ムクドリを拍子木で撃退 松本市、長野県などが松本駅前で実験開始
長野県松本市と県は、あがたの森通り(駅前大通り)の街路樹の緑陰を維持したまま、ふん害が問題になっているムクドリを追い払う実証実験に着手した。鳥類学者で信州大学名誉教授の中村浩志さんの助言を受けて、拍子木や音響機器の音で追い払う。従来は街路樹の枝葉を落とす対策をしていたが、街中の緑を活用するグリーンインフラを推進するため、街路樹のせん定を最小限にとどめる対策を模索している。 あがたの森通りの松本駅前~深志2交差点付近と、花時計公園(中央1)で19日夕に実証実験が行われ、市と県の職員ら19人が参加した。高さ約7~10メートルの街路樹のカツラがムクドリのねぐらになっていて、鳴き声による騒音や大量のふん害が問題となっている。 日没と同時に街路樹の中に入ろうとするムクドリに対し、参加者が拍子木をたたいて大きな音を出し、スピーカーで動物の鳴き声のような音を出して追い払った。音に驚いて逃げ出すムクドリが多く、一定の成果があった。県松本建設事務所維持管理課の中川文晴課長は「追い払うには継続的に音を出す必要がある。枝葉を落とす以外の対策として実現化できるか見極めたい」と話した。 県は令和3年4月に「信州まちなかグリーンインフラ推進計画」を策定し、松本市も5年3月に「松本まちなかグリーンインフラアクションプラン」で街中の緑を活用する方針を打ち出した。 全ての枝葉を落とす対策だと街中から緑陰がなくなるというデメリットがあり、グリーンインフラを実現するにはムクドリ対策は避けて通れない。市都市計画課の赤間善浩課長は「県の協力を得て8月まで定期的に実証実験のモニタリングを続け、対策を考えたい」と話している。
市民タイムス