“当事者”発「歩行支援アプリ」で…視覚障害者が散歩“楽しむ” ベビーカーに活用できる“みんな”が便利なアプリも
日テレNEWS NNN
今週末は楽しく多様性に触れる「カラフルウィークエンド」、news every.では今週、さまざまな「生きやすさ」に関する企画を配信しています。 障がいがある人が生活しやすくなるよう、当事者が自ら開発や運営に携わるアプリが意外な広がりを見せています。中には車いすユーザーの作ったアプリが健常者にとっても便利に。どんなモノなんでしょうか?
生まれつき目の見えない大石亜矢子さんは、ラブラドールレトリバーの盲導犬・イリーナ(10)に7年間、歩行を助けられていますが、ある悩みを抱えています。 大石亜矢子さん 「“犬がいないと私は歩けない”というのでは、困るなと思ったので」 盲導犬の入店拒否などもあり、イリーナに頼れない状況もあるというのです。
そこで、新たに歩行をサポートするのが、首から下げたスマートフォン。「アイナビ」という視覚障害者のための歩行支援アプリです。カメラが捉えた画像をもとに、AIが障害物などを認識し、音声で案内してくれます。 試しに、街で使ってみると… 歩行支援アプリ「アイナビ」の音声 「自転車」 視覚障害者にとっては、障害物である“自転車”を認識しました。 そして、横断歩道では、盲導犬や白杖では信号の「色」がわからず、渡るのも一苦労ですが… アイナビの音声 「信号が青です」 アイナビが、信号の色を案内しました。 車や壁など、20種類を認識するようプログラミングされています。 大石亜矢子さん 「『赤信号です』みたいな。こんなふうに教えてくれるなんて、すごいなと」
全盲の川田隆一さん(63)は、このアプリの改善に尽力する1人です。 ――特に力をいれた点は? ダイヤル・サービス株式会社 アイナビ担当 川田隆一さん(63) 「(視覚障害者に)お散歩っていう心のゆとりはなかった…。でも、(道に)何があるかってわかると、結構楽しいなって」 障害物だけでなく、周辺の施設を案内すること(機能)に力を入れたといいます。 アイナビの音声 「18メートル先に、エクセルシオールカフェ新橋2丁目店」 歩行支援アプリを使うことで、歩くことがただの“移動”から、“楽しいこと”に変わるといいます。 ダイヤル・サービス株式会社 アイナビ担当 川田隆一さん(63) 「A地点からB地点に行くっていうことだけが、必死で歩く目的だったんです。自分のやりたい道をやりたいように、歩きたい道を歩きたいように歩けるように」 目指すのは、“誰もが自由に歩ける社会”――