“当事者”発「歩行支援アプリ」で…視覚障害者が散歩“楽しむ” ベビーカーに活用できる“みんな”が便利なアプリも
小学6年生の櫻怜哉くん(12)は、ごくわずかな範囲しか見えていない弱視です。母親が見守るなか、先月から白杖を持って1人で歩く練習が始まり、自宅から最寄り駅までを歩けるようになりました。 中学生になったら、やりたいことがあるといいます。 櫻怜哉くん(12) 「寄り道して帰る。路線バスで帰るようになったら、 (友達と)バス停まで一緒に行けて」 視覚障害を“できない理由”にしない―― アイナビの音声 「ポール」 櫻怜哉くん(12) 「ポールって言った。ポールってこれのことか」 見守る母親は… 櫻千恵子さん 「自分一人で、何でもやっていきたいっていう気持ちが芽生えているところで…この子の世界が広がる」 視覚障害者の人生をより安全に、そして、楽しく彩る可能性を秘めていそうです。
障害者のアイデアから生まれ、健常者まで便利になったアプリもあります。 去年12月、「ジャパンSDGsアワード」で岸田総理に表彰されたのは、車椅子の女性。地図アプリ「WheeLog!(ウィーログ)」の発案者、織田友理子さんです。 「ウィーログ」は、エレベーターやスロープ、誰でもトイレの場所などを“可視化”してくれるバリアフリー情報アプリ。 東京・渋谷駅付近をみてみると…複数のトイレやエレベーターの場所を表示し、駅構内のスロープ情報も掲載されています。これらの情報は、ユーザーの投稿をもとに増えていきます。 車椅子ユーザーが困ることは、実は、ベビーカーを使う人も同じだといえそうです。 3歳の子どもがいる会社員(30代) 「ベビーカーの場合は、エレベーターを使わないといけないので」 赤ちゃんがいる親世代や、お年寄り、重い荷物を持った人などの味方になってくれます。 1歳の子どもがいる会社員(30代) 「(アプリで)エレベーターの位置が、これでわかるんですね。車椅子の方とほぼ同じルートで、お出かけとかしてると思うので、同じように使えると思います」
代表の織田さんは、障害者がアプリを通して誰かの力になることで、彼らの生きがいにもつながるといいます。 障害者も健常者もさまざまな人が、より自由に、より生活しやすい社会を目指して――。 アプリは進化を続けます。