じつは初心者でも育てやすい原種シクラメン。清楚で美しい花に、きっと心奪われるはず
「原種シクラメンって、繊細で育てるのが難しそう......」そんなイメージがあるかもしれません。でも、それは大きな誤解。ビギナーでも育てやすく、豪華な鉢花の園芸品種にはない野趣に富む凜とした花が大きな魅力です。『趣味の園芸』2024年12月号では、世界各地で原種シクラメンを観察している久山 敦さんに、おすすめの種類や育て方のコツを教えていただきました。 一部を抜粋してお届け。 みんなのシクラメンの写真
【魅力1】初めてでも大丈夫! ほったらかしでも育つ
種類にもよりますが、鉢花で親しまれている園芸品種に比べてとても丈夫です。主な自生地は北アフリカから中近東、ヨーロッパの地中海沿岸地域など。初心者でも手軽に育てられる種類があります。 原種シクラメンは基本的に1年を通して戸外で育てます(寒冷地を除く)。毎年植え替える必要はなく、肥料は施さなくても大丈夫で、手間もかかりません。
【魅力2】開花期はさまざま! 春夏秋冬、可憐な花を楽しめる
清楚でかわいらしい花が原種シクラメンの大きな魅力です。 開花期は種類によって異なり、春咲き、夏咲き、秋咲き、冬咲きがあります。春夏秋冬で開花期が異なる種類をそろえれば、通年花を観賞できます。 同じ原種でも、花や葉は株ごとに色や模様などが微妙に異なります。たくさん集めてさまざまな姿を愛でるのも楽しいでしょう。
【魅力3】環境が合えば長生き! ふえゆく喜びが味わえる
イギリスにはなんと100年を超えて生きる原種の栽培株があります。種類にもよりますが、日本でも過湿に気をつけ、水はけのよい土で蒸れないように育てれば長く楽しめます。 地植えできるタイプもあり、庭で咲き誇る景色を堪能できるのも原種の醍醐味。また、こぼれダネが発芽して、かわいらしい球根がゆっくり育つ様子も楽しめます。 12月号では、ほかにも、久山さんおすすめの原種や、株選びから植え替えまで、管理の基本をわかりやすく紹介しています。原種シクラメンならではの魅力を、ぜひ楽しんでみてください。 教えてくれた人/久山 敦(くやま・あつし) ナチュラリスト 大学卒業後英国王立キュー植物園に留学。1982年から淡路ファームパークの設計、管理。大阪市の植物園「咲くやこの花館」では2007年から15年間館長を務めた。世界の植物を求めて52か国を訪問。昨年4~6月は欧州19か国の花の巡礼へ。原種シクラメンが自生する姿も観察してきた。 ●『趣味の園芸』2024年12月号「ほったらかしでも大丈夫! かわいい原種シクラメン」より