F1スペインGP、マドリード開催に移行も……バルセロナにも未来はある? ドメニカリCEOが含み
1991年以来、F1スペインGPはバルセロナ近郊のカタルニア・サーキットで開催されてきたが、2026年からマドリードに建設される一部公道を使ったサーキットに開催地を移すことが決まった。 【ギャラリー】2025年で見納めになってしまうのか? カタルニア・サーキットでのF1スペインGP歴代勝者(1991年~) しかしバルセロナが、スペインでの2レース目の座を確保する可能性もあるようだ。1994年と1997年にはヘレスで、2008年から2012年にかけてはバレンシアで、それぞれヨーロッパGPとしてスペインでの2レース目が開催されたという前例もある。 課題は長期契約を結んでいる開催地が多く、将来的なカレンダーの枠が限られていることだ。 F1のステファノ・ドメニカリCEOは、マドリードでスペインGPを開催するからと言って、バルセロナにF1が留まる選択肢がなくなったわけではないと主張した。 「疑念を避けるため、ここではっきりさせておきたいのは、我々がマドリードに行くという事実が、将来的にバルセロナに留まる可能性を排除しているわけではないということだ」 ドメニカリCEOはそうF1公式サイトに語った。 「この先、我々が非常に良好な関係を築いているバルセロナとの協力関係を将来にわたって本当に拡大できるかどうか、話し合いが行なわれているところだ」 現在フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)とカルロス・サインツJr.(フェラーリ)というふたりのスペイン人F1ドライバーがいることから、スペインではF1に関する健全な関心が続いているとドメニカリCEOは強調した。 「スペインはほんの2~3年前までは我々の視界の中心にはなかった市場だ」 「今はとても重要だ。我々はスペインのDAZNと少なくとも2026年末までの新しい契約を結んだんだ」 「複数の都市……同じ国の都市も含めてグランプリ開催を希望しているというのは、素晴らしい問題だ」 「それは我々の提案の価値を示している。しかし、我々は成功の理由に集中し、自己満足に陥らないようにする必要がある」 ドメニカリCEOは、マドリードでのレース開催を望む声がシリーズ全体の健全性を反映していることを強調した。また、注目度の高いヨーロッパでの新しい開催地が、シリーズがアメリカや中東で拡大している傾向に逆行するものであることも認めた。 「F1にとって素晴らしいニュースだ。このスポーツに対する強い意欲が世界中にあることが改めて示されたからね」 「ヨーロッパはこのスポーツに投資する準備ができていないと思われているが、マドリードや他の国々は投資する準備ができていることを示している」 「彼らは魅力的なプロジェクトを提示した。今後2、3年で建設されるもので、移動からイベント全体の体験まで、ファンのことを考えたプロジェクトだ」 「プロモーターから受けた提案は素晴らしかった。最初の日から、このイベントがどのようなものになりうるか、オープンに議論してきたんだ」 ドメニカリCEOは、マドリードとの契約期間についても言及。2035年までの長期契約を大歓迎している。 「2035年までの契約というのは非常に喜ばしい。かなり長期だ」 「これはF1としての方針だ。新しいプロモーターであっても、より確立されたプロモーターであってもだ」 「プロモーターにとっても、パートナーにとっても、チームにとっても、そしてスポーツにとっても保証となる。それはすべての人に長期的な視野を与える」 「過去を見てみると、契約の更新は2~3年、最長でも5年だった。今はすべての新規契約が非常に長い傾向になっている。もし短いとすれば、それには理由がある」
Adam Cooper
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