プーチン大統領が北京到着-圧力強める米国を中ロ団結でけん制へ
(ブルームバーグ): ロシアのプーチン大統領が16日、中国の北京に到着した。通算5期目に入って初めての外遊となる。ウクライナでの戦争継続を巡る中国の対ロシア支援をけん制するため、米国が圧力を強める中、中ロ関係の重要性が改めて浮き彫りとなっている。
中国国営中央テレビ(CCTV)によると、プーチン氏は現地時間16日午前4時(日本時間同5時)に北京に着いた。2日間の公式訪問で東北部の黒竜江省ハルビンにも足を運び、第8回中ロ博覧会の開会式に出席する。習近平国家主席との会談では、中ロ貿易を巡り米国が中国に発した警告に対抗することを優先させる公算が大きい。
習氏が中国共産党トップに就いた2012年以降、中ロ首脳は40回以上会っている。ロシアのウクライナ侵攻の数週間前には「無制限の友情」を宣言した。侵攻を受けて発動された米欧による前例のない制裁をロシアが乗り切るのを助けてきた中国も、米国から報復を受ける脅威の高まりに直面している。
世界2位の経済規模を誇る中国は、ロシアにとって有力なエネルギー市場であり、戦時必需品のサプライヤーとして欠くことのできない友好国だ。こうしたことが影響し、プーチン大統領は時に難しい立場に置かれることもある。中国はプーチン氏による核兵器の威嚇を警戒し、米主導の世界経済システムへの自由なアクセスを維持する必要性にも留意している。
ロシア大統領府に助言する外交防衛政策評議会のフョードル・ルキヤノフ議長は、プーチン氏が通算5期目入り後初の外遊先として中国を選んだことについて、「中国は紛れもなくわれわれの主要なパートナーである」ことを示すものだと指摘。「ある面では、他に選択肢がないということもある」と語る。
強まる圧力
米政府は中国の銀行や輸出業者に対し、ロシアの軍事力のてこ入れに手を貸した場合の影響について警告を強めている。
米財務省は昨年12月、ロシアが半導体やボールベアリングなど軍事に必要な機器を調達する取引を促進する銀行に対して、こうした取引を認識していなくても、二次的制裁を課すと発表した。