「決算書すらまともに読めない」...サラリーマンには「当たり前」のことができない中小企業の社長がヤバすぎる...!
老後2000万円問題が叫ばれて久しい。しかし、生活水準を落としたくないのであれば「2000万円でも足りない」。政府の経済的支援を当てにすることもできない。現代日本ではサラリーマンであっても資産を形成することが求められている。そんな人は会社を買おう。もしあなたが一般的なサラリーマンならば、既に会社を経営するノウハウを自然と身に着けているのだ。 【漫画】刑務官が明かす…死刑囚が執行時に「アイマスク」を着用する衝撃の理由 本連載では、平凡なサラリーマンが会社を購入し成功した例を紹介しながら、具体的に「どうやって資本家として成功するのか」を『いますぐサラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい』(三戸政和著)から一部抜粋して紹介する。 『いますぐサラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい』連載第16回 『本社の営業マンが背負う責任は「次元が違う」...解きほぐしてみてわかる、彼らの思いもよらない「チカラ」とは』より続く
典型的な中小企業の実態
さて、一方で、中小企業はどうでしょうか。 製造するモノのほとんどすべてが、大企業からの下請けという中小企業が数多くあります。典型的な中小企業の一例を挙げます。 営業戦略といったものはありません。ただひたすら、言われたものを、言われた図面通りに、言われた数だけ作る。ただ、受注をこなすだけです。 仕事は回っているので、営業をする必要がありません。顧客からの値下げ要求には何度か応じてきました。製造原価を下回らなければ、ノーとは言えません。あるいは単体赤字であっても、努力してコストダウンし、単体黒字に変えます。年次合計ではほぼ利益は出ていません。 営業をしていないので、既存顧客以外にニーズがあるのかどうか、金額が妥当であるのか、実はわかっていないのです。
決算書の読み方も「わからない」
製造現場には、無用な部品在庫が山のようにあります。一年に数個しか使わない部品を何百個も持っていたりします。100年経ってもなくならない在庫を平気で大量に持っているのです。 仕事の多くは属人化しています。老齢を迎えた職人ばかりで、この人たちが引退したらどうなってしまうのか心配しています。しかし、新しく若い人を採用することは難しいと半ばあきらめています。朝礼はしますが、定期的な会議はほとんどありません。 社長であっても、財務諸表の見方はわかりません。税理士の「先生」に任せっきりで、決算書もまともに読んだことがないからです。 ちなみに、私が運営する投資ファンドの企業再生の仕事で、中小企業の社長に、「会計の資料を見せてください」とお願いすると、手書きで、「◯◯への振り込み」「◯◯の支払い」などと書き込まれた預金通帳のコピーを持ってきたりする方がいます。 B/S(貸借対照表)やP/L(損益計算書)の見方もわかりません。中小企業の社長に「この科目、どうなってますか」と聞けば、「これって、なんですかね」と聞き返されたりします。「私ではわからないので、税理士にちょっと確認してみます」などと平気で言います。 さらに、「なんで、こんなに経営が悪化したんですか」と訊ねると、「いや、うちの税理士がちゃんと見てなかったんで」みたいなことを言ったりします。 ちゃんと見るべきなのは税理士ではなく、社長です。社長が会計を見ないというのは、スピードメーターやガソリンの残量計も見ずに自動車を運転しているようなもので、もはや経営とは言えません。