子宮頸がんの末期一歩手前から生還「健康でないと満足に眠れない」と気づいた。71歳団地ひとり暮らし、現在のライフスタイルとは?
内閣府が公開している「令和4年版高齢社会白書」によると、65歳以上の一人暮らし世帯数は年々増加傾向にあるようです。そのようななか、数々の人生の逆境を持ち前のバイタリティーで乗り越え、歳を重ねてもなお生きることの楽しさを体現しているのは、『71歳、団地住まい 毎朝、起きるのが楽しい「ひとり暮らし」 がんを乗り越えてわかった本当の幸せ』を著した、ソネ ジュンコさん。ソネさんいわく、「健康でないと満足に眠れないということを知った」そうで――。 【書影】「ひとりで楽しむノウハウ」満載!『71歳、団地住まい 毎朝、起きるのが楽しい「ひとり暮らし」 がんを乗り越えてわかった本当の幸せ』 * * * * * * * ◆がんになって「健康でないと満足に眠れない」ということを知りました 30代での離婚、40代での実家の倒産と、精神的な苦痛から不眠症を経験した私ですが、61歳でがんになったとき、今度は「身体的な病気で眠れない」という経験をすることになりました。 私は2013年1月22日に61歳の誕生日を迎えています。ちょうどその日に友達がサプライズパーティーを開いてくれたんです。 「ちょっと会わせたい人がいるから、ドレスアップしてきてね」と意味深なことを言われ、オシャレして約束のお店に入ったとたん、クラッカーが鳴らされて親しい友達が勢ぞろいという、とても素敵なサプライズパーティーでした。 とても楽しくうれしくて大騒ぎをしたのですが、実はそのとき、体がすごくつらかったのです。 うれしい、ありがたい、なんて幸せなんだろうと思いながらも、実は体がつらくて一刻も早く家に帰ってベッドで横になりたい気持ちでいっぱいでした。
◆ぐっすり眠るのにも体力が必要 私はそれを「年齢のせいだろう」と思いつつも、「体の中で何か変なことが起こっている」という直感めいたものを捨てきれずにいました。 というのも、その3か月くらい前から、寝つきの悪さや眠りの浅さなど、睡眠障害の傾向が出てきていたからです。 そのころは仕事も絶好調。なんの悩みもなく、仕事で十分に体を動かしているので、運動不足でもありません。 不眠症になる要素はないはずなのに、なぜかうまく眠れない……。 結局、病院で2回の検査を経て子宮頸がんのステージ3Cという、ほぼ末期に近い状態になっていることがわかりました。 不正出血や腹痛など、明確な子宮頸がんの症状は何も出ていなかったのに、体は「睡眠障害」という形で私に危険信号を発してくれていたのです。 がん治療のための入院中は、寝ているのか起きているのかわからないくらい、夢か現(うつつ)かの状態をさまよっていました。 睡眠の役割は体を休ませることです。だから病気を治すには、十分な休養=睡眠が必要なわけですよね。 なのにいちばん体を休ませなければいけないときに、体調が悪すぎて満足に眠ることもできないとは、なんということでしょう。 眠れないほど弱り切った私が強く感じたのは、「ぐっすり眠るのにも体力が必要」ということです。 若いときはいくらでも眠れますよね。あれは体力があり余っているからなのではないかと思います。 病院のベッドで満足に眠ることもできなくなった自分を情けないと思いつつ、「退院したら気持ちよく眠れる体をとり戻そう」と心に決めました。