指揮者ゲルギエフ氏を任命 ボリショイ劇場総支配人
ロシア政府は1日、モスクワにあるバレエとオペラの殿堂、ボリショイ劇場のウリン総支配人が自らの希望で職を解かれ、後任に第2の都市サンクトペテルブルクのマリインスキー劇場で芸術総監督を務める世界的指揮者のゲルギエフ氏を任命したと発表した。ミシュスチン首相が文書に署名した。任期は5年。ゲルギエフ氏はプーチン大統領との緊密な関係で知られる。 2013年から総支配人を務めたウリン氏は昨年2月のロシアのウクライナ侵攻開始直後に他の劇場関係者と「軍事行動をやめて人間の命を守れ」との共同アピールに署名し、保守派の批判を浴びた。 帝政ロシア時代から続くボリショイ、マリインスキー両劇場トップを兼務することになるゲルギエフ氏は1日の就任会見で「責任は重大だ」と強調。侵攻後に米欧でロシア文化排斥の動きが広がり自身も活動の場を失った中「いまはロシアで何をすべきかを考えている」と語った。 ゲルギエフ氏はミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者を務めていたが、ミュンヘン市は侵攻への反対表明の要請に応じなかったとして昨年3月に解任を発表した。(共同)