南砺市、英語で緊急速報送信 外国人向け、地震想定 10月6日に防災訓練
南砺市は能登半島地震を教訓に震度6強を想定した10月6日の総合防災訓練で、増加する外国人住民向けに初めて英語で「地震発生」の緊急速報メールを送信する。避難所の窓口も英語で表示し、災害発生時、外国人住民の安全確保に努める。 緊急速報メールは、特定区域内にある国内4社の携帯電話に一斉配信される。市職員が指定する文字を送信可能で、訓練では午前8時に日本語と英語で地震を想定した訓練と伝える。12日開かれた市議会全員協議会で、市側が訓練内容を報告した。 市は災害時の外国人への情報伝達方法を議論し、緊急速報メールを試すことにした。まず英語で配信し、今後、他言語の配信も必要か検討する。担当者は「避難所でのコミュニケーションも課題で、スマートフォンの翻訳アプリの活用などを検討したい」と話した。 南砺市の外国人住民数は10年前の2014年4月時点で647人だったが、今年8月末時点で1041人に急増している。出身国別ではベトナムが最多の297人、中国207人、インドネシア163人となっている。訓練ではこのほか、家屋倒壊の恐れなどを調べる応急危険度判定訓練も初めて行う。県建築士事務所協会に協力を依頼する。 ●三セク改革を説明 市議会全員協議会では、市側が第三セクターの改革実施計画の進ちょくを説明した。「五箇山和紙の里」の経常利益は昨年度、目標40万円を大きく上回る773万円に達した。外国人客らの紙すき体験が増えたことが奏功した。 世界遺産相倉合掌造り集落保存財団は昨年度、756万円の赤字となったが、職員採用で経費が増えたことが一因で、一層の経営改革を進めるとした。