【いわての冬支度】干すと甘くなるのはなぜ?花巻の干し柿づくりに密着 意外な味わい方も!
IBC岩手放送
冬を迎える準備の様子やこれからの時期にお薦めのグルメなどを紹介するシリーズ「いわての冬支度」。3回目は冬の保存食の一つ「干し柿」についてです。トロトロの食感と濃厚な甘さが魅力の干し柿のちょっと変わった食べ方も紹介します。 【写真を見る】【いわての冬支度】干すと甘くなるのはなぜ?花巻の干し柿づくりに密着 意外な味わい方も! 花巻市石鳥谷町の熊谷圭子さんの家では、2024年も玄関前の庭にある樹齢70年以上の柿の木にたくさんの実がなりました。 熊谷さんは今シーズン10月中旬に収穫した300個の実を干し柿にしました。 300個もの実の皮をむくのは大変です。 熊谷さんはこの皮むき器を使ってくるくると実を回して皮をむいていきます。 皮をむいたらT字に残した枝を糸で結んでいきます。 (熊谷圭子さん) 「楽しみになってきました 今年で3回目なんですけど (まだ3回目?) 母親がやっていて亡くなってから自分でやりだしたんです。そしたらなんか楽しくなってきて こんなかんじです」 そして柿の表面を熱湯で消毒したら風通しの良い場所で干していきます。 ここで素朴な疑問が…。 干し柿づくりで使われるのは、そのままでは渋くて食べられない渋柿です。 ではなぜ渋柿は干すと甘くなるのでしょうか?気になりませんか? 渋柿は皮をむいて干すことにより表面に薄い膜ができます。 すると実の中で、二日酔いの原因物質として知られるアセトアルデヒドという物質が発生。 それが渋み成分のタンニンと結合することにより、タンニンの性質が水に溶ける水溶性から溶けない不溶性に変化します。 人間の味覚は水に溶けたものを感じているのでタンニンが水に溶けると「渋い」と感じますが、水に溶けていなければ食べても渋さを感じないというわけです。 干し柿は渋柿から渋み成分のタンニンを抜いているのではなく、食べた時に甘さだけを感じるようにしているのです。 熊谷さんの干し柿は、干してから2週間ほどで完成します。 11月上旬に出来上がった干し柿をいただきます! (奥村キャスターレポート) 「トロトロ~!甘さが濃厚ですね トロトロでねっとり でも素朴な優しい味です」