【全文】くい打ち不正問題(3)流用物件住人だったら「本当にひどいやつ」
旭化成建材がマンションなど建物のくい打ち工事データを改ざんしていた問題で、旭化成は2日午後、都内で会見し、旭化成建材がくい打ちを実施した3040件についての調査の進ちょく状況を公表した。横浜のマンションの現場代理人以外でも複数名によるデータ流用が判明し、社内で流用が横行しているかのような事態に、旭化成の平居正仁副社長は「そういう環境にあったことは認める」と、教育やチェック管理体制に問題があったの認識を示した。
流用が確認された19件の安全性に問題はないのか?
日本テレビ:日本テレビのホシと申します。平居副社長に何点かお聞きしたいと思います。まず、先ほどNHKの方もお聞きしていたんですけれども、データ流用がされた19件について、この安全性に問題はないのかどうか。これを平居副社長の言葉からはっきりいただけますでしょうか。 平居:不具合が報告されていないというのが、私が言える精いっぱいの話でありまして。安全性につきましては先ほど来、申し上げておりますように、上物に対する情報、まったく持ってません。だから、構造計算書もなければ設計図もないのが私たちの立場です。私たちはあくまでも杭に関する図面、杭に関する情報だけを持っている。だから、安全性ということを私たちが積極的に発信していくことはできない。どこまでいっても元請けさんと一緒に協力していただきながら、上物も含めて安全を確認するって作業は必要であります。 ただ、今日までのところ、今回の19件についても、例えば傾いたとか、例えばひびが入ったとか、そういった形での不具合の報告は今のところ入っていないということでございます。 日本テレビ:その不具合が報告されていないというのは、この19件以外でもほかの現場代理人の関与したもので、データの流用が発覚しているものについても同じでしょうか。 平居:はい。先日の記者会見で、この10年、不具合があったのはこの1件だというようなことを言ってしまったと思います。正確に申し上げますと、この10年間で建物が沈下しただとか、ひびが入っただとか、基礎に、杭に原因があると思われる報告。それは元請けさんからであったり、われわれから、どっかからそういう話があってうんぬんということはなかったという、この1件しかなかったということでありまして。私たちが今言えるのは、この間、そういう報告があったかなかったか、だけは事実として申し上げられますんで、そういう報告はなかったということをご報告申し上げます。 日本テレビ:あと、この会見でもまた資料、いただいた資料でもそうなんですが、データの流用など、流用等ということでご説明いただいているんですが、先日横浜市が学校でデータ流用、転用が見つかったと発表されたケースなどでは、切り貼りのほかに加筆も一部見つかったというような話もありまして、これはどれが流用であって、どれが転用であって、どれが改ざんであってという区別がもう、なく、ほとんど全て、この今日発表された19件についてももう改ざんという言葉を使わざるを得ないのではないかなと思うんですが、いかがでしょうか。 平居:行われた行為、1つ1つについてはああやって流用とか、転用とか、加筆だっていうことが行われたと思います。それをどう評価されるかは、私どもが申し上げることではないと思いますが、私たちは行われた行為は、今申し上げたように流用、転用。まあ、流用も転用も一緒ですけど、それと一部加筆がされたものがあったということについては、認めてるところではございます。 日本テレビ:当然、その杭の安全性と関連がないにしても、こういった流用・転用・加筆っていうのは、御社の中ではやってはいけない行為、不正だっていうことには変わりないわけですよね。 平居:それはおっしゃるとおりです。もう、それは絶対やってはいけない行為であると思っています。そしてそれらの行為が行われていることを見逃していたことってことについては、非常に恥ずかしいことだと思っています。 ですから、そこについてはこれから調査をきちっと進めた上で、その調査を進めた結果、原因を究明して、なぜそんなことが起こってしまったのかっていうことを深く反省して、それに向けて今後は信頼を回復すべく、努力していきたいと。併せて本当に流用、転用等が行われた物件をご利用されている皆さんに対しては、今、元請けさんのご協力を得ながら、1件1件の当面の、今日明日の安心はご協力をいただいて、表明していただいた上で、私たちが言ってももう信用していただけませんので。自治体さまとか元請けさんにご協力をいただいて、当面の問題はまず、安心してくれていいですよ、っていうことは言っていただいた上で、私たちがその後、できることを精いっぱいやらしていただきたいという。 ただ、ゼネコンさんの中にはゼネコンさんとしてのプライドがあって、建物の安全管理というのは何もそんなものだけじゃなくて、自分たちが責任を持ってやってると。その現場についてはこれほどたくさんの写真もあるとか、さまざまなことをおっしゃっていて、そういった中で、杭1つの問題ではなくて、自分たちが積極的にこの建物が安全かどうかっていうことはきちっと確認をし、進めていくって言っていただけている方もいらっしゃいます。それはそれぞれ対応はさまざまであります。