原爆投下79年、平和を祈って鐘を突く 京都府福知山市の各仏教寺院で市民が順に
1945年8月に広島に原爆が投下されてから79年が経った6日朝、京都府福知山市内の多くの寺院で、戦争のない日々が続くようにと願って「平和の鐘」が突かれた。訪れた人たちが心を込めて突いた鐘の音が、辺り一帯に鳴り響いた。 原水爆禁止福知山協議会(大西勝己会長)が、核兵器の廃絶と悲惨な戦争を繰り返さないことを願い、1993年から毎年続けている取り組み。市内の116の寺院や教会に呼びかけ、広島に投下された6日と長崎に落とされた9日に実施している。 奥野部の臨済宗南禅寺派・長安寺(正木義昭住職)では約30人が参加した。 平和を願う歌「原爆を許すまじ」「折り鶴」などをみんなで歌ったあと、原爆投下時刻の午前8時15分から鐘を突き始めた。 正木住職(65)が原爆で亡くなった人を悼み読経をするそばで、参加者が順番に鐘を突き、平和な世の中を願って静かに手を合わせた。 毎年参加しているという宮本平一さん(76)=夕陽が丘=は「先の大戦から79年、幸いにも日本は再び戦火に見舞われることがありませんでしたが、今、世界を見渡すと、実際に戦争が行われていたり、核爆弾使用をほのめかす国があったりと、緊張感がとても高まってきていると思います。誰もが平和に暮らせる世の中になってほしいと心から願い、鐘を突きました」と話していた。