フォックスコンの子会社、タイに半導体関連工場建設
世界中で半導体関連産業への投資が拡大している。タイ投資委員会(BOI)は台湾の京鼎精密科技(Fiti、フォックスセミコン・インテグレーテッド・テクノロジー)から申請のあった105億バーツ(約462億円)投資規模の工場建設を承認した。 Fitiは米アップルのiPhoneなどの製造を行っている台湾のEMS最大手フォックスコン(鴻海精密工業)の子会社。今回はFiti子会社のUniEQ・インテグレーテッド・テクノロジーが半導体業界向けの高精密機械部品や装置類を製造する工場を建設する。 BOIのナリット・テートサティーラサック長官は「今回はフォックスコン子会社による極めて重要な投資だ。半導体ウエハー製造装置の有力メーカーを迎えることは半導体の国家戦略を推進しているタイにとって喜ばしい」とコメント。同戦略では29年までに5000億バーツの外国投資を政府の目標にしている。 申請ではFitiはUniEQを通じてタイ国内のチョンブリとラヨーンの各工業団地にそれぞれ工場を建設する。Fitiの海外工場はすでに中国や台湾、米国にもある。 タイでは半導体ウエハー生産向けの製造装置や、高純度バルブやサブアッセンブリ・モジュールなどの機械部品を製造、年間60億バーツ以上を輸出する計画。さらに生産に必要な部材の25%を現地で調達するが、徐々に調達率を増やしていく。雇用も現地で1400人が見込まれている。 BOIによると、タイからの投資額は今年1~9月で前年同期比42%増の7225億バーツ、15年以来最高額のペースで推移している。特に家電、電子分野といったBOIが重視している産業の大型投資が目立っているという。
電波新聞社