双子の育児をハッピーに! 福岡で支援団体tatamamaが活動/福岡市
双子や三つ子といった多胎児の育児に悩み、奮闘するママやパパを支えようと、福岡で結成された一般社団法人「tatamama(タタママ)」が、7月21日で発足1年を迎えます。これまで交流イベントを20回以上開いたほか、毎週のようにSNSで情報を発信するなど精力的に活動。1周年を記念するシンポジウムを7月20日に開き、多胎児育児の「ツライ」を減らして「楽しい」を増やす活動に弾みをつけたい考えです。 【画像・動画】タタママの活動・チラシ&双子妊娠に関する解説
「困る」「心配」を減らす
「歩道の真ん中に街路樹があると、通りにくいね」「段差がなめらかにしてあると助かる」 福岡市南区で5月中旬、タタママのメンバーらが歩道の通りやすさを確認しながら、専用のウェブサイトに登録していました。 サイトは、福岡市の専門学校生らでつくる団体「ダイバーズ プロジェクト」が運営する「ダイバーズマップ」。車いす利用者らが、通りやすいルートを入力して情報を共有するもので、今回はタタママ代表理事の牛島智絵さん(39)の働きかけで、両団体などの連携企画として実施されました。 牛島さんは「車イスや双子用ベビーカーで通りやすい道は、多くの人にとって使いやすいはず。今後も(双子の親らの)困りごとや心配ごとを減らすため、いろんな団体とも連携していきたい」と展望。ダイバーズの内山大輔さん(24)は「(タタママは)障害がある人も含め、世の中に幅広く役立つ取り組みを目指しており、自分たちとも近いと感じる。これからも協力していきたい」と話しました。
SNSを駆使して発信!
牛島さんはコロナ禍の2021年、双子の長男・次男を出産。身近に双子の親はおらず、妊娠中に「単一臍帯(さいたい)動脈」と診断されるなど、不安になることも多かったそうです。 そうした中、SNSで相談した先輩ママから「全然心配いらない」「うちは元気に生まれてきた」と助言を受けたことが大きな支えに。出産後、オンラインで知り合った多胎児ママたちと交流する企画を実施し、22年5月には、福岡市の舞鶴公園で24組が集まるイベントを開きました。 その後も、月1回ほどのペースで交流会を企画。2人を一度にだっこするコツ、お出かけの際の工夫など、多胎育児に役立つ意見交換を当事者同士で行える場を提供してきました。 一方で、「どうしたら楽しく育児ができるの?」という切実な声に触れることも。 多胎児の育児に関する情報をもっと効果的に発信して「ツライ」を減らし、「楽しい」を増やしたい――。多胎児のママ、パパを「タタママ」「タタパパ」と呼ぶことにし、23年7月21日、仲間たちと団体「タタママ」を設立しました。 同年9月には行政とのワークショップが開かれ、「双子用ベビーカーは重い。出産前後の専用駐車場を利用できる期間は生後3か月までだが、実際に出かける機会が増える時期まで延ばしてほしい」といった声を集約。その後も行政に要望を届け、福岡県は専用スペース「ふくおか・まごころ駐車場」を多胎児の妊産婦は1歳半まで使えるよう、今年2月から期間を延長しました。 出産前後に、個人で動画配信にも取り組んだ牛島さん。tatamamaでは、LINEでの発信にも注力し、交流イベントの告知のほか、多胎児の出産ができる病院の情報をまとめたり、多胎育児の当事者による経験談を寄稿してもらったりしています。いつでも必要な情報を見てもらえるよう、「双子判明」「誕生」などから知りたい項目を探せるようにしています。