【Playback箱根駅伝】第59回/2区から独走の日体大が3年ぶり優勝 6区・谷口浩美またも区間新!
2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの) 第59回箱根駅伝総合成績をチェック
第59回(1983年/昭和58年) 2区で大塚正美、米重修一が区間賞争い 早大が2年連続復路V
2年連続で2位と順大の後塵を拝してきた日体大が11時間6分25秒で3年ぶり9回目の総合優勝を果たした。 1区では東洋大の佐藤和也が1時間3分30秒の区間新記録をマーク。2位の日体大に1分3秒差をつけ、3連覇を狙う順大は3分1秒差の9位と出遅れた。 2区はこの年から現行距離(当時の計測では22.7㎞)に変更。日体大・大塚正美と大東大・米重修一が激しいデッドヒート。最後は大塚が抜け出して、1時間7分34秒と現代でも十分に通用する好タイムで先頭を奪った。 日体大は3区以降も首位を独走すると、5区の岡俊博が1時間11分44秒の区間新記録をマークして往路2連覇。2位の早大は5区で木下哲彦が区間2位と好走して順位を2つ上げたが、日体大とは6分39秒の大差がついた。 順大は4区で中島修三が区間新記録を樹立したが、序盤の出遅れが響いて9分05秒差の3位。3連覇はかなり厳しい状況となった。 そして、優勝争いにとどめを刺したのが6区の谷口浩美。57分47秒の驚異的な区間新記録で後続を大きく突き放し、小田原中継所では2位の早大と11分31秒差がついていた。 日体大はこのまま悠々と逃げ切って総合優勝を果たす。日体大はこの年、退任した岡野章監督に代わり11月から中山隆治氏ら6人のOBコーチが共同で選手を指導。選手たちは「勝って再出発を」を合言葉に挑み、OBたちも募金活動など物心両面で支えていた。 2位の早大は日体大を2秒上回って復路優勝。9区・坂口泰、10区・遠藤司が連続で区間賞を獲得して、翌年の優勝への足掛かりを作った。王者の順大は復路で順位の変化はなく、3位に終わった。 また、今大会で激走を見せた谷口は旭化成に進み、1991年に東京で行われた世界選手権で金メダルを獲得するなど、マラソンで活躍を見せた。 参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)
月陸編集部