アミューズメントエキスポ開幕 景品「1000円の壁」に推し活グッズ、日用品が人気
業務用ゲーム機の展示会「アミューズメントエキスポ2024」が15日、東京都江東区の東京ビッグサイトで開幕した。新型コロナウイルス禍を経て変革期を迎えるゲームセンター向けの仮想現実(VR)や拡張現実(AR)を活用した最新ゲームなどが展示された。市場を支えるクレーンゲームは、景品価格が上限1000円の法規制を受ける中、推し活グッズや物価高騰を背景にした日用品まで、各社工夫を凝らしたアイテムをそろえている。 【写真】カプコンが出展した「鬼武者VR Shadow Team」 カプコン(大阪市)はゲームの世界に入り込み、武者になりきって妖怪と戦う「鬼武者VR Shadow Team」を出展した。VRゴーグルを着用し、目前に迫ってくる敵を、刀の柄状の操作機器を振って切り倒すゲームで、遊んでみようと来場者が長蛇の列をつくった。 タイトー(東京都新宿区)は国内初となる「ARダーツ」を公開。プロジェクションマッピング技術でコルクボードに映像を投影して、ダーツを楽しむことができる。通常のダーツの映像を投影すれば、従来のルールで遊ぶこともできるが、別の映像を映して、陣地取りのような新しい遊び方もできる。年明けにもタイトーが運営する飲食店併設のアミューズメント施設に導入、来春以降に全国展開する。 各社は体感型ゲームで1回あたりのプレー料金を高めつつ、飲食などと組み合わせて顧客単価を上げて、ゲームセンターの収益構造の改革に取り組んでいる。収益の柱を担うのがクレーンゲームだ。 ゲームセンターは本来、風俗営業法の規制で景品を提供することはできない。クレーンゲームだけは、射幸心をあおらない範囲で例外的に認められている。 ■景品は精巧になるも採算ギリギリ 警察庁は2022年3月、景品の基準を「おおむね800円以下」から「おおむね1000円以下」へと、25年ぶりに変更する通達を出した。〝1000円の壁〟を巡り、フィギュアや模型はより精巧になり、鮮やかな彩色が施されるようになるなど、各社の担当者は「採算ギリギリ」と話す。 セガサミーホールディングス(HD)傘下のセガ フェイブ(東京都品川区)は人気漫画「名探偵コナン」のグッズ展開を紹介。毎年映画が公開され、ゆかりの地を訪ねる「聖地巡礼」も盛んな同作の人気にあやかって、旅行に持っていけるカバン、長時間の移動で使う首枕やアイマスクなどの〝推し活〟グッズをそろえた。クレーンゲームでは、人気キャラクターのグッズのほか、昨今の物価高騰を反映し、洗剤などの日用品やお菓子、カップラーメンなどの人気も高いという。