不登校 親同士悩み共感 守谷でグループ交流 活動1年「安らぎの場に」 茨城
不登校の親子グループ「もりや不登校・行きしぶり親子の会オアシス」が茨城県守谷市で毎月1回、交流会を開いている。発足は2023年12月。孤立しがちな当事者同士の共感によって、いっときの安らぎを得られる場を目指している。 今年11月12日、市内で母親9人が集まり車座でおしゃべりした。不登校や経験者、登校を渋る小中学生の子がいるなど事情はさまざまだ。グループは毎月1回約2時間、「おはなし会」として不登校を巡る悩みや日常を話し合っている。 この日は学校以外での学習による出席扱いなどが話題になった。 「不登校でも勉強ができている。場所が合わないだけ」「いろんな学び方があってもいいのでは」 不登校を受容しつつも親として複雑な心境にあることがうかがえた。 「いずれ社会に出るとチームで活動する。みんな頑張っているのに自分(わが子)だけ(頑張らなくて)いいのかと思う」と吐露。それについて「頑張り方は人それぞれ」「頑張っていない子どもはいないはず」と擁護する声もあった。 不登校を解消した他の子を見て「『うちはまだ』とため息が出る」との声には「そういう気持ちも分かる。まあ、いいんじゃないかな」と共感が広まった。 最後には「不登校になって良かった」という発言も出た。「不登校になって世界観が変わった。わが子が生きているだけで幸せ、社会とつながっているだけで幸せ。当たり前なことが幸せだと気付かされた。不登校になってくれてありがとうと言いたい」 オアシスは、市による不登校の親子交流会で出会った母親たちが昨年12月に結成した。グループ名には「砂漠の中のオアシスのように安らげてほっとし、日常に戻っていく」という願いが込められている。 代表の角田裕美さん(45)は「市内には不登校の親の会が見つからなかった。相談機関は事前に予約が必要で、親同士がつながることで『今、聞いてほしい』に応えられる場をつくりたかった。話したいことを気軽に話せる場所にしたい」と語る。
茨城新聞社