「赤字社員」になっていないか不安です…月収「30万円」ですが、会社の雇用コストはどれくらいなのでしょうか?
会社で働いている方で、自分がもらっている給料以外にかかっている費用について気になる方もいらっしゃるでしょう。実際会社では、従業員に毎月支払う給料以外にもさまざまな費用を負担しています。 今回は、会社が従業員を雇う際にかかる労働費用や、給料に見合う仕事をするためできることを解説します。 ▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
労働費用とは
労働費用とは、会社が従業員を雇う場合にかかる費用のことです。人件費というくくりでいわれる場合もありますが、人件費には毎月支給される給料だけでなく、さまざまな費用が加算されています。 労働費用には、給料以外にも法定福利費と法定外福利費と呼ばれる費用も含まれます。厚生年金保険料や健康保険料などは代表的な法定福利費であり、法律により会社の負担が義務付けられているのです。 法定外福利費は、法律により定められていない会社独自で行っている福利厚生の部分が当てはまり、具体的には交通費や住宅手当、資格手当などがあげられます。従業員の方は、現在もらっている給料以上の負担を会社にしてもらっているということになります。
従業員を雇うためにかかるコスト
厚生労働省が公表している令和3年の就労条件総合調査によると、1ヶ月当たりの1人の労働費用は表1の通りです。 表1
※厚生労働省 「令和3年就労条件総合調査 結果の概況」を基に筆者作成 全体の平均は40万8140円となっており、会社の従業員が多いほど労働費用も高くなっている傾向にあるようです。毎月の現金給与以外に、7万3296円を会社が負担していることになり、1年で計算すると87万9552円となります。 つまり、毎月の給料が30万円程度の方は年収として360万円程度をもらっていますが、労働費用をトータルで考えると、プラス90万円程度が加算された450万円程度が実質のコストと考えられます。ただし、残業代の有無や賞与額、採用費などにより、実質のコストはさらにかかっている可能性もあるでしょう。
給料に見合った仕事をするためにできること
会社から支給される給料に見合った仕事またはそれ以上の仕事をするためには、現在の業務内容の精度向上や、業務の効率化があげられます。例えば、業務内容を見直して、無駄な工程の削減や効率化を意識しながら仕事をすることで、残業時間が減らせる可能性があります。 会社側は、残業代が減ればその分労働費用を削減でき、従業員側は、残業による過労やストレスなどの身体的な負担の軽減にもつながるでしょう。
給料30万円の従業員を雇用するためにかかる給料以外の費用は1人当たり月に7万円程度
会社によって法定外福利費が異なるため、一概にはいえませんが、毎月30万円程度の給料をもらっている方は、月に7万円程度のコストがプラスされており、その分は会社が負担してくれています。会社側は労働費用をおさえるためにできる内容の検討や、従業員側は少しでも会社に貢献するためにできる仕事の方法を考えてみてください。 出典 厚生労働省 令和3年就労条件総合調査 結果の概況 3 労働費用 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部