秋の「絶景ハイキング」スポット! エメラルドグリーンの滝&カラフル紅葉のコラボが連続「西沢渓谷」
紅葉前線がおりてきて、近郊の山の計画がはずむ季節。落葉広葉樹林が多く、燃える紅葉を演出する奥秩父エリアで、よりカラフルなハイキングを楽しめるのが「西沢渓谷」だ。一年の中で、特に魅力的な秋の様子をお届けする。 ■【画像】名のある滝とともに小さな滝や早瀬が連続する、絶景ハイキングコース! ラストは錦秋に染まる緩やかな林道で下山(写真をすべて見る)
■「西沢渓谷」とは?
西沢渓谷は秩父多摩甲斐国立公園内、笛吹川(ふえふきがわ)の上流にある約10km、4時間ほどの遊歩道。日本の滝百選に選ばれた「七ツ釜 五段の滝」を折り返し地点として、前半は渓谷美、後半はトロッコ跡の旧森林軌道を緩やかに歩く。 侵食された花崗岩(かこうがん)の滑らかな滝壺は、一つひとつがエメラルドグリーンに輝く宝石のよう。宝箱を彷徨うように、原生林と水の美しさに魅了されるトレッキングコースだ。
■紅葉期の「西沢渓谷」ハイキングレポート
筆者が訪れたのは11月初旬。スタートは、日本百名山「甲武信ヶ岳(こぶしがたけ)」の山梨県側の入口と同じである。林道から眩しいほどの彩りが広がり、数歩ごとにカメラを構えてしまう。なかなか歩が進まないので注意しよう。 コースが本流に沿うようになると、エメラルドグリーンの滝壺が次々と現れ、紅葉とは対照的な色合いにこれまた釘付けになる。 渓谷の地形はところどころ川への傾斜がきついところがあり、鎖がかけられている場所などは、ちょっとしたアスレチック感を楽しめるが、通行には注意したい。多くの登山者は渓谷を先に歩くが、ときどきすれ違いもあるので譲り合って進む。 「七ツ釜 五段の滝」を過ぎると沢を離れ、広くて歩きやすい「旧森林軌道」に変わる。かつて材木を運んだトロッコ跡で、平坦に近い緩やかな下りだ。午後の日差しに照らされた紅葉の輝きはピークに達し、錦秋のトンネルでハイキングを終えた。
■「西沢渓谷」の注意点! 渓谷歩きで気をつけること
初心者にもおすすめのハイキングコースだが、渓谷ならではの注意点がある。 1.気温が低いため防寒着をしっかり準備しよう 2.細い道、濡れた岩場もあるため、滑りにくい靴で歩こう 3.暗くなるのは早い。早出早着を心がけよう 4.雨上がりは増水の可能性あり。無理をせず引き返そう 渓谷は気温が低く、休憩ポイントも沢沿い。ダウンジャケットや手袋など、防寒着を忘れずに。 雨上がりは沢が増水している可能性がある。登山道まで水が溢れることもあるため、通行が困難な場合は無理をせず引き返そう。数日晴れたあとが安全だ。
■おすすめは紅葉期と新緑の季節
「西沢渓谷」は、紅葉と新緑の時季がおすすめ。遊歩道にはアズマシャクナゲの群生もあり、5月上旬~中旬に見頃を迎える。色彩豊かな紅葉と爽やかな森林浴、季節ごとに訪れてみるのもいいだろう。 濱崎 雅子(はまさき まさこ) 元アウトドアメーカー勤務。 幼少期から自然と歩くことが好きで、学生時代に登山とロングトレイルにハマる。海も潜る。 日本百名山完登、ニュージーランド「テ・アラロア」3,000kmが大きな経験。 山×珈琲は絶対で、荷物が重くてもコーヒーミルを持ち歩く。
濱崎 雅子