妊活や体質改善に「漢方薬」が効くワケ 受診から処方までの流れも医師が解説!
妊活を頑張っているけれど、なかなか効果が出ない……。そんなとき、漢方薬の服用を検討する人もいるのではないでしょうか。漢方薬は体質改善の効果が期待でき、それによって妊娠しやすい体へ導くことも可能です。今回は妊活や体質改善に漢方薬を使う場合、受診から処方までの流れについて、「玄和堂診療所」の寺師先生に教えていただきました。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
妊活や体質改善に漢方薬を使う
編集部: 妊活や体質改善に漢方薬を使うと、どのような効果があるのですか? 寺師先生: 漢方薬の特徴は心や体のバランスを整え、その人が持っている自然治癒力を高めていることにあります。様々な症状の改善に用いられますが、例えば漢方薬を妊活に使う場合には、まず妊娠しやすい体づくりを目指します。 編集部: もう少し詳しく教えてください。 寺師先生: 漢方治療には、「体の歪みを治す」という思想があります。なかなか妊娠しない人は子宮や卵巣など、体のどこかに歪みを抱えていることが多いのです。その歪みを治すことで心と体のバランスの崩れが正され、人体の機能が高まります。そのため、漢方治療を続けるうちに全身の状態が整って歪みが修正され、妊娠しやすい体へと変わっていくことが期待できるのです。 編集部: 歪みが生じる原因はなんですか? 寺師先生: 不妊の場合には、「瘀血(おけつ)」と「冷え」が考えられます。瘀血は、血液の流れが滞って血行不良になっている状態です。瘀血に冷えが加わることで、妊娠しにくい体になっているケースが多くみられます。 編集部: ほかにも、漢方の視点で考えると、不妊の原因には何がありますか? 寺師先生: 漢方では「気・血・水」という3つの要素が体内を巡っており、これらにトラブルが生じると健康が害されると考えられています。先ほどの「瘀血」は血、「冷え」は水のトラブルです。そのほか、気のトラブルの観点から言えば、心理的なストレスも不妊につながっていると考えられます。 編集部: そうした歪みを改善することで妊娠しやすい体へ整えていくのですね。 寺師先生: はい。漢方薬を処方すると体のベースが整い、自然と妊娠しやすい体に変わってきます。加えて、これまで抱えていた健康上の問題も改善され、実際に患者さんから「不妊治療をはじめて風邪を引きにくくなった」「お腹を壊さなくなった」「生理痛がなくなった」などの声を聞くこともあります。これは、その人本来の自然治癒力が高まり、全身の健康状態が整ったということです。当初の目的は体質改善ではなかったとしても、不妊治療を続けるうち、本来のあるべき姿に体質が変わってくるのです。