元カープの山本翔監督率いる矢上(島根)、初の甲子園へいざ大一番 3日に秋季中国地区高校野球大会準決勝
高校野球の秋季中国地区大会で、人口1万人足らずの島根県邑南町にある矢上が、快進撃を見せている。初の4強入りを果たし、春夏を通じて初めての甲子園出場は目前だ。2日の準決勝は天候不良のため順延。広島東洋カープの元捕手、山本翔監督が率いるチームは、同県立浜山公園野球場である3日の米子松蔭(鳥取)戦に臨む。 2024年秋の高校野球中国地区大会勝ち上がり表(組み合わせ表) 勝負強さが光る。地元開催の今大会は、島根3位校で2年連続5度目の出場。1回戦は山口1位の高川学園に3点差をはねかえして6―5でサヨナラ勝ちした。準々決勝も倉敷商(岡山)に6―5で粘り勝ち。指揮官は「本当にのびのび戦ってくれている」と躍動する選手の姿に目を細める。 山本監督は、2002年に福岡・東筑高から捕手としてドラフト5位で入団。1軍出場はなく、10年に広島を退団した後は、広島市で会社員をしながら、13年から2年間は広島六大学リーグの広経大の監督を務めた。17年に邑南町役場へ就職し、町教委で勤務。同年夏から矢上の監督を務めてきた。 カープの人脈は生き続けている。新チーム最初の練習試合は選手時代、バッテリーコーチだった片岡新之介監督が率いる呉港(広島)と対戦。中国地区大会前の総仕上げとして、練習試合の相手を務めたのも選手時代に指導を受けた永田利則監督が指揮する瀬戸内(広島)だった。 2日は中止の一報を受け、選手たちは学校の体育館や校内にあるビニールハウスで練習し、決戦に備えた。就任7年となった40歳の山本監督は「夏の甲子園で大社さんが8強入りして、島根の公立校でもやればできるところをみせてくれた影響は大きい。準決勝も準々決勝までのように思い切り戦ってくれたら」。選手の背中を後押しするつもりだ。
中国新聞社