ミニチュア細工「良い趣味」 天草市の村田さん、趣向凝らし100個以上制作
天草市北浜町の村田巌さん(80)が、ミニチュア細工で実在の家屋などを作り評判を呼んでいる。壁にかかる絵や小物など室内の様子も忠実に再現する本格派。「われながら良い趣味を持った。退屈しません」とさらなる趣向を凝らす。 ミニチュア細工を始めたのは65歳の時。60歳で定年退職し、「ぼけ防止に」と指先を使う趣味にたどり着いた。これまで100個以上を制作。創作も多いが、喫茶店や郵便局、近所の家など実在する建物も作り、依頼されたものはプレゼントしている。ミニチュア細工教室も開き、年1回はギャラリーで展示する。 幅20センチ、奥行き10センチ、高さ13センチのコレクションケースに合わせた大きさ。材料はアイデアにあふれ、屋根には段ボールのほか、ススキの穂や松葉、フェルトを使用。段ボールはボール紙のしわと垂直に傷を付けることで、屋根らしさを出すという。 人物はつまようじに紙を巻き、かまどは消しゴムを削る。庭木は小枝を使い、小指の先ほどの小物類は全て紙粘土で手作りする。室内は撮影しておき、壁かけの絵などは写真を縮小コピーして貼り付けるなど忠実に再現する。実在の家屋は「似てないと言われたくないから」と細部にまでこだわっている。
時間がある時にテレビを見ながら制作し、2カ月ほどで完成。「6割くらいは面倒くさい作業だけど、完成に近づいてくると楽しくなる」と村田さん。「細工を通して人とのつながりもできた。どうやって作るのか考える時間が楽しい」と作品に目を細めた。(福井一基)