円は155円ちょうど付近に下落、ウクライナ情勢受けたリスク回避緩和
(ブルームバーグ): 20日の東京外国為替市場の円相場は1ドル=155円ちょうど付近に下落。ウクライナ情勢の悪化を受けて海外市場で円は安全資産として買われる場面もあったが、米ロ両政府関係者の発言でリスク回避が和らぎ、円売りが優勢になっている。
東海東京インテリジェンス・ラボの柴田秀樹金利・為替シニアストラテジストは、来年のトランプ政権誕生を意識するとドルは売りにくいと指摘する。今後公表される米指標が強い数字になれば、12月の利下げ見送りの可能性が高まることに加え、資金需要が高まる年越えのドル調達コストが上がっており、ドルを押し上げる方向にあると言う。
外為どっとコム総合研究所の神田卓也調査部長は、米ロ政府関係者の発言を受けて、ウクライナ情勢が米ロの緊張激化につながるリスクは小さいとの見方から、S&P500種株価指数やナスダック総合指数が上昇し、リスク回避の動きが和らいだと指摘する。
米国家安全保障会議(NSC)報道官は19日、ロシアの核ドクトリン改定は米国が自国の核指針を調整する根拠にならないと発言。ロシアのラブロフ外相は、核戦争が起こらないようあらゆる手を尽くすと述べた。
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Masahiro Hidaka