フェルスタッペン、レッドブル離脱の可能性を示唆「マルコは今後も、僕の意思決定において重要な役割を果たす」
レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーであるヘルムート・マルコは、クリスチャン・ホーナー代表に関する機密情報をメディア等に漏洩した可能性があるとして、内部調査の対象となっている。最悪の場合、サウジアラビアGP後の月曜日から停職処分を受ける可能性があるとされているが、同チームのドライバーであるマックス・フェルスタッペンは、自身の将来がマルコに対する処遇の影響を受ける可能性があると明かす。 【動画】レッドブル・ホンダのF1マシン”RB16Bありがとう号”が、東海道新幹線&西九州新幹線に挑んだ! 女性従業員に対する不適切行為があったとして、レッドブル社内での調査対象となったホーナー代表。レッドブル社はこの件について調査を行なった結果、ホーナー代表の潔白が証明されたと発表した。 しかしその後も事態は急展開。ホーナー代表に関する機密事項が、F1関係者や複数のメディアに対して、匿名のEメールで配信されたのだった。そしてその後、レッドブル社はホーナー代表を告発した女性従業員を停職処分とした。 そしてサウジアラビアGPの金曜日になって、機密情報の漏洩にはマルコが関わっていた可能性があり、レッドブル社が調査に乗り出していることが明らかになった。マルコはサウジアラビアGPでチームに帯同しているものの、調査の結果次第ではグランプリ明けの月曜日から停職処分を受ける可能性があるという。一部では、既にサーキットを離れたとの情報もある。 マルコは金曜日、オーストリアの放送局ORFの取材に対し、停職処分を受ける可能性があることを認める発言を行なった。 ただこの状況に釘を刺すのが、レッドブルのドライバーであるマックス・フェルスタッペンだ。フェルスタッペンはマルコがチームを離れるのは受け入れられないと主張。その処遇が、自身のレッドブルにおける将来に影響を及ぼす可能性があると明かした。 なおフェルスタッペンとレッドブルの契約には、マルコが離脱した場合には、契約を解除できる権利があることを記載した条項があるとされている。 「僕は、ヘルムートと僕らが共に達成してきたことを、とてもリスペクトしている」 そうフェルスタッペンは語った。 「僕の彼に対する忠誠心は非常に大きい。またチーム内の全員、上層部の全員に常に表明してきたことは、彼はチーム内だけでなく、今後も僕の意思決定において重要な役割を果たすということだ」 「だから、彼が今後もチームに残ることが非常に重要だ。もちろん、他の全員も含めてね。それは、チーム全体の努力なんだから」 フェルスタッペンは、今回のホーナー代表やマルコに関する状況を受け、チームの上層部が刷新されるリスクがあるのであれば、他チームに移籍した方が良いと考える可能性は十分にあると語った。 「主要な人たちが結集することは、とても重要だ。重要な柱が倒れてしまえば、それは僕の状況にとっても良くないことだと思う。それは、チームにも言ってきた。僕としては、ヘルムートはチームに残らなければいけないと思う」 「彼はこのチームの最初から、ディートリッヒ(マテシッツ/レッドブル社の共同創業者。2022年に逝去)とこのチームを作り上げてきた。彼は常にチーム、そしてチーム内の全員に対してとても忠実だった。彼は、チームの全員が当時のポジションを維持できるようにしたのだ」 「そういうことをしてきた人に対し、十分な敬意を払うことは非常に重要だと思う。それは、忠誠心や誠実さにも関係する。だから僕にとっては、彼がチームの一員であり続けることが重要なんだ」 フェルスタッペンがこのように発言したことで、多くのチームがフェルスタッペン獲得の下準備に動き出すことになるだろう。特にルイス・ハミルトンの2024年限りでの離脱が決まり、来季のドライバーを探さなければならない立場にあるメルセデスにとっては、願ってもない状況と言えるかもしれない。
Jonathan Noble