むくみや冷え性、シミ、シワ…毛細血管のゴースト化が原因? 老化で減少している毛細血管を元気にする3つの食品
『百歳まで歩ける人の習慣 脚力と血管力を強くする』#3
自分でしっかり歩けることが介護が不要な状態を保つ「健康寿命」を延ばすことにつながるという。歩くための力には「脚力」以外に、「血管力」が必要であると抗加齢医学研究をしている伊賀瀬道也氏は提唱するが、いったいどうすれば健康な血管が手に入るのか。 【画像】毛細血管のゴースト化を予防する3つの食べ物 『百歳まで歩ける人の習慣 脚力と血管力を強くする』(PHP新書)より、一部抜粋・再構成してお届けする。
毛細血管は加齢とともに減少する
私たちの体のなかには、大小ふくめて膨大な量の血管が張りめぐらされています。なかでも、毛細血管のネットワークは大きく、血管の95~99パーセントは毛細血管です。 毛細血管をすべて合わせると、長さはおよそ10万キロメートルもあり、地球2周半分にもなります。体のあらゆる臓器や細胞は、このわずか5マイクロメートルほどの小さな血管から栄養と酸素を受け取り、老廃物を渡して、機能しているのです。 健康な毛細血管の内皮細胞は、1000日ほどで新しい細胞に入れ替わり、働いてくれます。 毛細血管の数は、加齢とともに減少します。20代とくらべると、40代ごろからは新陳代謝されることなく、死んでいく細胞が増えていきます。60~70代では、20代と比較して40パーセントも減ってしまうのです。 血流が減って、そのうち栄養がこなくなるため、血管が消失する現象を「ゴースト化」と呼びます。 ゴースト化を起こした毛細血管のことを、「ゴースト血管」と名づけたのが大阪大学の高倉伸幸先生です。
毛細血管がゴースト化する3つの生活習慣
毛細血管がゴースト化する生活習慣として、次の三つがあげられます。 (1)運動不足 運動が不足すると、まずは大きな血管の血行が悪くなり、血液が毛細血管まで行き届かなくなりがちです。 大きな血管のいちばん内側には内皮細胞という1層の細胞があり、ここからは血管弾力性を保つため、ガスである一酸化窒素(NO)が放出されています。運動不足になるとNOの放出が少なくなることから、毛細血管までの血流が悪くなると考えられます。 (2)太りすぎ へその高さで測定するウエスト周囲径が、男性で85センチメートル以上、女性で90センチメートル以上の人は「内臓脂肪型肥満」と判定されます(正確には、腹部CTによるへその高さでの測定が必要です)。 内臓脂肪型肥満の場合、内臓脂肪から放出される、体に悪影響をおよぼすホルモンが血圧を高めたり、血糖のコントロールを悪くしたり、血液のサラサラ度を下げたりするなどして、最終的に毛細血管への負担を増加させると考えられます。 (3)食べすぎ・飲みすぎ これは肥満の原因になりますので、(2)の説明と同じメカニズムで悪くなることがあります。 さらには、糖分、脂質、アルコールを過剰に摂取した際には、体内で生成されるアルデヒド基が原因となって、老化促進物質の一つである「終末糖化産物」(AGEs)が生成されます。 AGEsは大きな血管ばかりでなく、毛細血管の細胞を傷つけることで「ゴースト血管」が進行する可能性が高まります。