孤高の存在、クロムハーツの現在
先頃来日したクロムハーツの創業者リチャード&ローリー・リン・スタークとその家族にインタビューを敢行。長女のジェシー・ジョーのパートナーであるヤングブラッドを交え、唯一無二のクリエーションについて訊いた。 ギャラリー:孤高の存在、クロムハーツの現在
クロムハーツ一家が日本にやってきた目的のひとつは、アーティストとして活動する長女ジェシー・ジョー・スタークがアートディレクションを手がけ、彼女の母親でありクロムハーツのオーナーの一人であるローリー・リン・スタークが撮影を担当した2023年秋冬の広告キャンペーンのローンチ。ジェシー・ジョーのパートナーでミュージシャンのヤングブラッドも同行し、2023年10月27日には東京・新宿区の聖徳記念絵画館前にてクロムハーツ主催の一夜限りのライブを行った。家族での来日は、2019年のクロムハーツ トーキョー20周年記念以来だ。一家の大黒柱であるリチャード・スタークも交え、まずは家族での久しぶりの来日について率直な感想を訊いた。 ジェシー・ジョー 私にとって日本はセカンドホーム的な存在なので、久しぶりの来日はテンションが上がりました。特に今回はライブもやるし、街を回ったりできる自由な時間もあるし、お気に入りの天ぷら「みや川」(東京・ 青山)へ行くのがすごく楽しみ。 ヤングブラッド また日本に来ることができ感動しています。2022年の初来日以来、エキサイティングな東京の街が大好きになりました。今回はジェシーがファーストパフォーマーとして共演するからフェスとは違った雰囲気を楽しみます。 ──都内では、ジェシー・ジョーとヤングブラッドが出演する広告が大的に展開されています。撮影を担当したのはローリー・リン。3人でどのように創り上げましたか? ローリー・リン ヤングブラッドは撮られることに違和感を抱かず、とにかく表情や動きが自然で撮影が本当に楽しかった。ジェシーは少しシャイなところがあって、それに、撮影に入る予定はなかったんです。でも、ヤングブラッドがエネルギーの高い人だったこともあり、彼がジェシーを引っ張ってくれて、ジェシーが入ることですごくエモーショナルな仕上がりになりました。 ──日本での広告キャンペーンの展開やシークレットライブについて、リチャードはどう感じていますか? リチャード もちろん賛成です。みんなからプランを持ちかけられたときにすぐ「やろう」と言いました。我々家族は信頼し合っているので、提案があればだいたい実現させています。いつも良い結果が得られますから。 ──ヤングブラッドの存在が大きいですか? リチャード 彼がいることで、新たなシナジーを感じています。ブランドに良い影響を与えてくれるのでとても嬉しいです。彼がいなければ今回のイベントも実現しなかったですから。 ──創業以来、クロムハーツは長年にわたり世界中の人を魅了し続けています。その魅力は何だと思いますか? ジェシー・ジョー 家族で仕事やデザインの話をよくするのですが、それぞれがお互いのクリエイティブを尊重しているので、それを受け入れてくれるベースがある。特にリチャードは器が大きく、それと同時に、何があっても自分のポリシーを貫き、物作りに対して純粋に思い続けていて、その精神を私たちも受け継いでいます。そういった家族愛に加え、物作りへのピュアな姿勢がクロムハーツの魅力となって、人々に伝わっているのだと思います。 ジェシー・ジョー・スターク アメリカ・ロサンゼルス出身。クロムハーツの創始者リチャード・スタークと、ローリー・リン・スタークの長女。10代の頃からクロムハーツのウエアやジュエリーなどのデザインを手がける。ミュージシャンとしても活動。 ヤングブラッド イギリス・ドンカスター出身。2018年にデビュー・アルバム『21st Century Liability』をリリース。2022年8月には、日本最大規模の都市型音楽フェス『サマーソニック』に初参戦を果たした。世界の音楽ファンの注目を集める次世代ロックスター。 PHOTOGRAPHS BY KAZUMI KURIGAM WORDS BY KEI OSAWA PHOTOGRAPHS BY MARI SUGAHARA (LIVE)