米メディアも45歳イチローのタイムリー発進を絶賛「時が過ぎ行くことを受け流している」
マリナーズのイチロー外野手(45)が好発進した。22日(日本時間23日)、米国アリゾナ州ピオリアで行われたアスレチックスとのオープン戦に「7番・レフト」で先発出場し3回二死満塁から2点タイムリーを放ち、さっそく存在感を示した。 イチローの実戦は昨年5月2日以来、296日ぶり。20日の打撃練習では同僚からデッドボールを当てられるなどのアクシデントもあったが、まったくブランクを感じさせないバッティングを披露、キャンプ地に詰めかけた大勢のファンからの声援を受けた。昨年シーズン途中に会長付特別補佐へ転身してから、9か月ぶりにマイナー契約を果たして異例の再挑戦をしているイチローのキャンプに米国メディアも注目。 膝を少し沈みこませてタイミングを取る新打撃フォームで、左のライアン・バクタ―の91マイル(約146キロ)のストレートにバットを折られながらもライト前に打ち返した2点タイムリーのシーンの動画をシアトルの公式ツイッターは、「イチローは絶対的な(安打)マシンだ」とのタイトルをつけてアップした。 米スポーツメディアの「12UP」も「不老のイチロー、2019年初ヒットで2点タイムリーを放つ」とのタイトルをつけて、このヒットシーンの動画を掲載。 「年齢と共によくなっていくものの数は非常に少ない。プロのアスリートが、その1つに含まれていないのは確かなことだ。しかし、時代を超越したスター選手のイチロー・スズキは、このルールの例外だ。45歳で、円熟の若さを見せるイチローは、時が過ぎていくことを受け流し続けている」と絶賛した。 スポーツ専門メディアのESPNも「スズキ・イチローがマリナーズの勝利に貢献するヒットで最後の春の開幕戦スタートさせる」との見出しを取り、「45歳のイチローは、今だに戦いの緊張感を感じている」と報じた。 第一打席は、右腕のリアム・ヘンドリクスの92マイル(約148キロ)のストレートに捕邪飛に倒れたが、2打席目の3回二死満塁に2点タイムリーを放ち、代走を送られた、試合の様子を説明。 「その分野(走塁)ではチャンスはなかったが、最後の春季キャンプをスタートさせた」と記し、「この緊張は私が今まで経験したことがなかったもの。初日がとんでもない結果にならなかったことをうれしく思います」というイチローが試合後に通訳を通じで語ったコメントを掲載した。 記事は、改めてイチローの経歴を紹介。2001年にアメリカン・リーグのルーキーオブザイヤーとMVP賞を獲得し、10度のオールスターに出場。シアトルでの12シーズン目の途中にニューヨーク・ヤンキースへ移籍、その後、マイアミ・マーリンズでプレー、マリナーズに戻った昨シーズンの5月上旬にフロントオフィスへ転身したこと、メジャー18年で通算3089安打を放ち、平均打率.311を誇ることを伝えた。 その上でイチローが目標を3月20、21日に東京ドームで開催されるアスレチックスとの公式戦出場に置いていることを報じた。 ベンチ入り枠が拡大する東京ドームでの試合でのイチローのメジャー登録は確実だと言われているが、それに値する結果をオープン戦で残さねば、スタメン出場は難しくなる。またイチロー自身は、“その後”の本格メジャー復帰も視野に入れている。 イチローは、一夜明けた日本時間24日はオープン戦に出場せずに通常の練習メニューを消化したが、異例ともいえる45歳のレジェンドの挑戦に米国メディアも熱視線を送り続けそうだ。