バブル期のホンダ「NSX」やマツダ「AZ-1」が世界を牽引! 量産車世界初のボディを生み出したメイドインジャパンはすごかった
カーボディ素材はスチール以外にもあった
クルマのボディや骨格は、耐候性や修復のしやすさからスチール素材が採用されていることが多い。しかし中には、こんなもの使っているのか、というクルマもある。今回はそんな素材に注目してみたい。 【画像】最先端でカッコイイ! スチールボディ以外のクルマを見る (13枚)
カーボンはボディ素材として最強
まず挙げたいのは、カーボン繊維を利用したものだ。カーボン繊維を樹脂で固めたCFRP(カーボン・ファイバー・リーンホースド・プラスチック)は、軽くて強度が高いという特長がある。さらにいうと疲労強度に強く、通常の熱環境での安定度も高い。そのためレーシングカーや航空宇宙産業などではあたり前に使われている。 このCFRPはもともと、釣り竿やゴルフクラブのシャフト、テニスやバドミントンのラケットなどに、50年ほど前から使われていた。カーボン繊維を編んでつくったシートを、熱硬化性樹脂に浸して重ね、熱を加えながら圧縮することで成型する、というのが基本的な製品のつくりかたとなっている。このシートを重ねて、というところが重要なポイント。繊維の方向をコントロールすることで、一方向の強さを増すなどといったこともできるため、金属素材ではつくるのが難しい形状の部品を製作したり、分割ではない一体成型が可能となったりする。 そこでレーシングカーでは、モノコックをカーボンで製作する、ということが一般的におこなわれている。市販車でも「マクラーレンF1」やKTMの「クロスボウ」などは、カーボンモノコックだ。もうちょっと一般的なクルマでいうと、アルファ ロメオ「4C」もカーボンモノコック採用車。外板でいえば、マクラーレンF1がそうだし、シボレーの「コルベット」にもカーボンボディを採用した限定モデルがあった。 さらに最近では、単純な形状、たとえばクルマのルーフやハッチゲートといったパーツ製作では、カーボン繊維を編み込まず、樹脂内に混合した状態でプレス成型する、シートモールディング工法が実用化され、「GRヤリス」のルーフにも採用されている。