「全共闘以外のやり方はなかった」「反動も大きい」 1960年代の学生運動は社会を変えた?参加者らに聞く功罪 現代への提言は
■全共闘の教訓、現代社会に生かせることは
全共闘世代の教訓は、現代社会に生かせるか。前田氏は以前、作家の雨宮処凛氏と会話していたとき、「なぜ連帯できたのか」との質問を受けたという。貧困の現場で格差に困っている人々からは「“一緒のチームで戦おうじゃないか”と言っても、A子さんは私よりひどい」などと返ってくるという話を聞き、「僕らは横につながるのが当たり前と思っているが、今の人たちには不思議なもの。『連帯』という言葉が死語になっている。みんな困っているのだから手を結べばいい、という答えにならない。若い人たちが連帯を信じられないとなった時には、こちらも処方箋を出せない」。 これに橋爪氏は、人々が結びつく諸条件の根底には、コミュニケーションがあると指摘する。「“私はこういうことで困っている”と言わない限り、わからない。そういう動きがないと、政治も経済も回らないわけだ。言葉が衰弱しているためにうまくいかないと思っている」。 さらに、東大全共闘は「彼らなりに自分の問題と直面して、考えて行動していた」。いまの若者も、まずは自分の問題を見つめるべきだと語る。「当時と今では全く別の問題に直面している。そこで考えた時に、参考になることとして昔のものを見ると、自分事として読み替えられるようになる。自分の問題で悩んだり苦しんだりが『生きる』ということ。それを一生懸命やってくれれば」。(『ABEMA Prime』より)