安定した学級運営を目指し… 東京・港区、全ての区立小1年生に「プレクラス制度」導入へ
東京・港区は2025年度から、全ての区立小学校の1年生に約1カ月間“仮のクラス”で学校生活を過ごす制度を導入すると明らかにしました。 港区が導入するプレクラス制度は、出身幼稚園や保育園から聞き取った児童の性格などの情報を基に“仮の学級”を編成するというものです。そして児童たちには入学式から4月末までの間、仮の学級で学校生活を送ってもらい、その期間で性格や学校生活における態度などを判断し、改めて正式な学級を編成し直すということです。 港区はこの制度により、教員が児童への理解を深め、安定した学級運営につながるとしています。会見で港区の清家区長は「一定の期間を経てから正式の学級を編成するプレクラス制度を全ての区立小学校で導入する」と発表した上で「年度当初の事務作業量は増えるが、人材を有効に活用することで教員の負担が大きく増加することはないと考えている。学級の負担やリスクを分散させることで、長い目で見て教員の負担軽減になっていくと考えている」と説明しました。 この制度について、教育アドバイザーの清水章弘さんは興味深い取り組みとしつつも「課題は残っている」と話します。清水さんは「(新入生が)4月の1カ月間で慣れてきて、先生の顔も覚えてきたという中で、担任の先生やコミュニティーが少し解体される気持ちになってしまったら、せっかく積み上げた1カ月間が無駄になってしまう恐れがある。1カ月(のプレクラス)というものが逆に子どもたちを不安にさせてしまう可能性もあるので、丁寧に考えなければいけない」と指摘しています。