ワークマン「一般客もヘビロテする店」へ狙う変身 「職人依存」から多角化で見えてきた新しい課題
もう1つが、小ロット短納期生産の推進です。例えば、一般客向け業態の「ワークマンカラーズ」では、トレンド商品に短納期生産を導入しています。この生産方法なら、発注から1~2カ月で商品が店頭に並ぶといいます。発注の点数も、ワークマンでは通常数万単位で発注することが多いのですが、最小で500点に絞れます。 好評だった短納期商品は「ワークマン女子」など別の一般客向け業態に横展開していく見込みです。一般向けの業態ではとくに、お店を訪れるたびに新たなトレンド商品が並んでいるようにすることが重要です。ここを強化し、来店頻度の向上を狙います。
ただ、お客さんを定着させることはそんなに簡単ではないでしょう。機能性肌着では、「エアリズム」や「ヒートテック」のユニクロを想起する人が多いと思いますし、小ロット短納期生産に関しても、新興EC勢のようにもともと得意としているライバルは多く存在します。 新業態の仕掛人であるワークマンの土屋哲雄専務は、「値段ではユニクロやGU、しまむら、無印良品に勝ちたい。それに加えてワークマンの衣料品はとにかく機能を付けていく」と話しています。
例えば女性服は、デザイン性を高めていくとモノを入れるポケットがなくなる、というように、デザインと機能性がトレードオフになる場合が少なくありません。ワークマンは仮にデザイン性が弱くても、圧倒的に機能面を重視して商品開発を進めるということですが、果たしてその戦略が当たるのか、注目です。 ▼出演記者の最新記事はこちら https://toyokeizai.net/list/author/山﨑 理子
山﨑 理子 :東洋経済 記者