電気料金が4割上がる!?九州電力“大幅値上げ”のからくりを解説
ところがそのとき、九州電力は値上げしなかったんです。10社中7社が値上げしましたが、差が出た理由は火力発電です。特に東京電力は福島第1・第2原発が廃炉となり、柏崎原発も動いてないので火力発電の割合が高くなっています。ロシアがウクライナに侵攻して天然ガスや石炭の値段が上がって「コストが大変です、値上げさせてください」ということになりました。 その点、九州電力は原発が稼働しているうえ、太陽光発電設備も数多くあります。きょう(5月29日)のような快晴の日はものすごい量の発電をしています。だから値上げしないで済みました。規制料金に関しては既に去年6月の段階で電力各社でかなり差がついてます。自由化によって新しい料金プランがいくつもできましたが、比較しやすい規制料金を用いて電気代が上がったか下がったを報道しているんです。 ■時代に合った新たな料金プランも 電気料金の値上げにはどんな対策ができるでしょうか? 九州電力のほかのプランを選択することもできます。ほかに、携帯電話を契約している人であれば、その携帯電話会社が出しているセットのプランもあります。新電力であれば楽天を選ぶこともできるし、ケーブルテレビ会社やガス会社のセットプランを選ぶこともできます。そうやって自衛する方法もあるので、調べてみる手はあると思います。 あと九州電力の場合、もうひとつ新しくて面白いプランがあるんです。「おひさま昼トクプラン」というもので、今年2月に九州電力が発表しました。先ほど言ったとおり九州では太陽光発電で電気が余っています。火力発電は昼間止めて、太陽光と原発でほぼまかなっている状態。それでも余っています。 だから、出力制御といって、太陽光発電を止めるようにしています。需給バランスが合わないと停電するからですが、それってもったいなくないですか? これまでは夜の方が電気代は安く設定されてきました。夜余る電気を使ってほしいから、より安くしてきたわけです。今は時代が変わって、昼の方が安いんです。