キム・ジョーンズ、「フェンディ」を去る 今後は「ディオール」のメンズに専念
ベルナール・アルノー(Bernard Arnault)LVMH会長兼CEOは、ジョーンズを「4年間にわたり『フェンディ』にユニークで多文化的なビジョンをもたらした、才能溢れるデザイナーだ」と称賛。「彼の貢献に感謝するとともに、『ディオール』メンズで彼のクリエイティビティーを見続けることを楽しみにしている」と話した。
また、LVMHは声明の中で、「キム・ジョーンズは、『フェンディ』の歴史的遺産にモダンで異文化的な美学をシームレスに融合させ、ブランドのクリエイティブなレガシーに大きく貢献した。彼の指揮の下、『フェンディ』のイタリアらしいコードをアップデートし続けるファッションへの包括的かつ革新的なアプローチによって、メゾンのプレタポルテとクチュールのコレクションは刷新された。4年間を通して、ジョーンズの仕事は完全に情熱とクリエイティビティーに導かれていた」と述べた。
拍車がかかるクリエイティブ・ディレクターのシャッフル
ジョーンズの退任により、また注目ブランドのクリエイティブ・ディレクター(またはアーティスティック・ディレクター)の座が空席になり、ラグジュアリー消費の鈍化と消費者の警戒心に悩む業界を揺るがすシャッフルに拍車がかかることになる。
業界関係者によると、「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」のジョン・ガリアーノ(John Galliano)、「ロエベ(LOEWE)」のジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)、「ジル サンダー(JIL SANDER)」のルーシ・メイヤー(Lucie Meier)とルーク・メイヤー(Luke Meier)の雇用契約は、年内もしくは2025年初頭に満期を迎えるという。そして現在、「シャネル(CHANEL)」と「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)、そして毎シーズン異なるゲストデザイナーを迎えている「ジャンポール ゴルチエ(JEAN PAUL GAULTIER)」も、クリエイションを率いるディレクターは不在だ。