金メダリストが松山英樹に迫る2位発進 東京五輪は最終日最終組で対決
◇パリ五輪 男子 初日(1日)◇ル・ゴルフ・ナショナル(フランス)◇7174yd(パー71) 【画像】シェウフェレ一家 史上初の五輪ゴルフ2連覇へ。世界ランキング2位のザンダー・シャウフェレ(米国)が、首位の松山英樹と2打差の6アンダー2位と上々のスタートを切った。前半アウトはボギーなしの5バーディでハーフ「31」をマーク。ティショットを左に曲げた後半17番で唯一のボギーを喫しても「65」にまとめ、伸ばし合いの初日で好位置につけた。 2週前の「全英オープン」でメジャー2勝目をマークした勢いのままの好プレーかと思いきや、「そうでもないんだ」と冷静に話す。1番はセカンドでシャンク気味の球が出て、グリーン右ラフから「ラッキーだった」と振り返るチップインバーディ。左に広がる池がプレッシャーをかける2番(パー3)もアイアンで右のガードバンカーにミスしてから寄せワンでしのいだ。
「理想的なスタートではなかった。でも、もっと悪くなる可能性があったのに、うまく乗り切れたことには満足しているよ」。不穏な出だしとなっても崩れず、ラウンド中にきっかけをつかんでビッグスコアにつなげられる地力がある。 2大会連続金メダルへの重圧を問われ、「特にない」と首を振る。松山と同年「マスターズ」に続く最終日最終組で対決した東京五輪は3年前。“ディフェンディングチャンピオン”の意識もなければ、無観客開催だった前回とは雰囲気もまるで異なる。「特殊な状況で、プレー以外はホテルの部屋に閉じこもっていなければならなかった。外に出てディナーを食べ、あちこちでファンの大合唱を見て、オリンピックに初めて来たような気分になったよ」
東京ではできなかった他競技の観戦にも出かけられる。競泳を見て、数十秒で終わるレースに4年間の準備すべてをつぎ込む姿勢には心打たれるものもあったという。「きょうは不器用な感じだったスタートを克服できたのが良かった。経験を生かして冷静に調子を取り戻し、いいショットが打てた」。あくまで72ホールの戦いを見据え、気持ちを切り替えた。(フランス・ギュイヤンクール/亀山泰宏)