BHP、アングロに事業統合を打診-実現すれば今年最大の買収に
(ブルームバーグ): 世界最大級の鉱業会社BHPグループが、107年の歴史を持つ同業のアングロ・アメリカンに買収の可能性を打診した。実現すれば、今年最大の買収案件になる可能性が高い。
アングロ・アメリカンは24日遅く、BHPから一方的で拘束力のない株式交換による事業統合の申し出を受け取ったと発表資料で明らかにした。アングロの取締役会は内容を検討しているが、提案が行われるとは限らないという。
アングロによると、BHPの申し出は、アングロが南アフリカの白金および鉄鉱石部門をまず分離することが条件になる。
非公開情報を理由に複数の関係者が匿名で語ったところでは、BHPはロンドン市場に上場するアングロ買収の可能性について最近評価を行ってきた。検討は初期段階であり、BHPが買収を進めると決めるか確実ではないと関係者らは述べていた。
アングロは南米の大規模な銅事業を傘下に置き、業界の多くが同事業の拡大を目指す中で、鉱業大手の中でも特に買収の標的と長らく考えられてきた。しかし、複雑な構造と商品ミックス、特に南アへのエクスポージャーの大きさが潜在的買い手を遠ざけていた。
同社は世界のダイヤモンド市場で支配的な地位を築いてきたデビアスも傘下に置く。
同社の株価は過去1年で12%下落し、時価総額は270億ポンド(約5兆2200億円)となった。ロンドンおよびシドニー市場に上場するBHPの時価総額は約1490億ドル(約23兆円)。
生産する一部主要商品の価格下落を受け、アングロは 2023年の利益が急減し、配当引き下げを余儀なくされた。歴史の古い銅山から産出する低純度鉱石の問題などに直面する同社は、2024年の銅生産目標も大幅に下方修正した。
関連記事
アングロ・アメリカン株急落、一時18%安-大幅な生産削減計画を発表
原題:BHP Approaches Rival Miner Anglo American About Takeover (1)、Anglo American Plunges as It Slashes Production to Cut Costs (2)(抜粋)
(c)2024 Bloomberg L.P.
Crystal Tse, Dinesh Nair, Thomas Biesheuvel