誕生から40周年! カワサキを象徴する「Ninja」の原点「GPZ900R Ninja」
GPZ900Rとして、独自の進化を遂げていく
カワサキの新しいスポーツバイクのスタンダードを目指して開発されたGPZ900Rだが、2年後の1986年には新しいデザインのフレームに997ccまで排気量アップされたGPZ1000RXが登場する。このGPZ1000RXは1988年にZX-10に、そして1990年にはZZ-R1100へとフルモデルチェンジしていくのだが、GPZ900Rはそれらのモデルと併売が続けられた。つまりそのまま年次改良を重ねてGPZ900Rとして進化していくラインと、カワサキのフラッグシップとしてフルモデルチェンジするラインというふたつのラインに分かれたのである。ちなみに国内向けにリリースされたスケールダウン版のGPZ750Rは、1984年から1986年の間だけ販売されてラインナップから消えている。 ベーシックなスポーツモデルという立ち場で小変更を重ねていったGPZ900R。撮影車は1988年式のA5で、オリジナルデザインを残したフロント16インチモデルだ。19年という長い間生産が続けられたGPZ900R Ninjaは中古車の個体も多いが、カスタムのベースとしても高い人気を誇った。そのため完全なノーマルは意外とタマが少なく、特にアンダーカウルは取り外された個体が多い。
改良による装備の充実で、2000年代を走り続ける
1990年に発売されたA7で大きな変更が加えられている。フロントのホイールサイズが17インチとなり前後ともホイール幅がアップ、そらに伴ってタイヤ幅がアップしている。また、フロントフォークは38mmm径から41mm径へと太くなり、ブレーキもフロントに4ポットキャリパー、リアに片押し2ポットキャリパーを採用して強化された。翌1991年のA8からは国内での正式販売が始まり、国内でのGPZ900R=Ninjaの人気の高さを感じさせた。1999年のA12でフロントに6ポットキャリパーやラジアルタイヤ、ガス封入式リアショックなど再び大きく手が入れられたが、このA12が日本仕様としては最終型となった。その後マレーシア仕様として2003年のA16まで生産が続けられたが、A16に「Final Edition」が設定され、この年で完全に生産が終了した。
GPZ900R主要諸元(1988)
・全長×全幅×全高:2200×750×1215mm ・ホイールベース:1500mm ・シート高:780mm ・車重:228kg(乾燥) ・エンジン:水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ 908cc ・最高出力:110PS/9500rpm ・最大トルク:8.7kgf-m/8500rpm ・燃料タンク容量:22L ・変速機:6段リターン ・ブレーキ:F=Wディスク、R=ディスク ・タイヤ:F=120/80V16、R=130/80V18
後藤秀之