ブルペン捕手から夢を…日本人初メジャーコーチ「独占公開!3つのワールドシリーズ制覇リング」写真
ジャイアンツでメジャー歴代1位の本塁打記録を樹立したバリー・ボンズは現役時代に気難しい性格だと報道されることもあったが、彼とて例外ではないという。 「選手時代のことはよく知りません。ですが、コーチとして打撃指導に訪れている姿を見ると、後輩選手たちに丁寧に指導しています。あれだけ実績のある選手なので、どういう考えで打席に立てばよいかなど、メンタル面の指導はコーチ陣もとてもありがたいと感じています」 同じ環境に身を置いた同士だから理解できる話もある。植松氏はメジャーで活躍した福留孝介や川﨑宗則との交流経験があり、現オリックスの平野佳寿がダイヤモンドバックスやマリナーズにいた当時には、同学年ということもあり食事をしながらいろいろな話をする関係だったという。 ◆日本人最多のワールドシリーズ制覇数 植松氏はジャイアンツに16年間所属して3度のワールドシリーズ制覇(’10年、’12年、’14年)を経験し、3つの優勝リングを持つ。メジャーリーガーでさえ1度も優勝経験のない選手は数多くいるなか、日本人としては最多だ。最高の舞台を経験し、これから何を目指すのか。 「次の目標はベースコーチです。今年のオープン戦で一塁ベースコーチをやらせてもらい明確になりました。そのためには、さらに成長しないといけないと思っています。そうしないと私は2年のコーチ経験しかないし、厳しい世界なのでいつ降格させられるか分かりません。 コーチとして十分な経験を積んだら、最終的にはメジャーの監督までできれば最高です。そしてアメリカでしっかり経験を積んだ後にもし日本のプロ野球からオファーがあれば、どこかのチームの監督になって自分がメジャーで経験した野球の知識を若い世代に伝えたい気持ちもあります。日本の野球とアメリカの野球の良いところを合わせながら、よりよい野球の文化を作りたいと思います」 高校野球の控え選手からメジャーの首脳陣まで駆け上がった植松氏。若い世代にこんなメッセージを送る。 「目標はすぐに達成できるものではなく、回り道をしながら挑戦するのは当たり前のこと。その間、辛いこともあるでしょうが、達成したときのことを思い描きながら過程を楽しんでほしい。努力をして積極的に行動していればいつか必ずチャンスが訪れます。そのときには全力で掴みにいってください」 たゆまない努力を続け、少ないチャンスをものにする。渡米後に植松氏が実行してきたことこそが夢をつかむ近道なのかもしれない。 取材・文:形山昌由 ジャーナリスト
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