【全米人気教授が教える】とてつもないレバレッジを生み出す「良い借金」とは?
今年は「新NISA&『オルカン』投資」が話題となった。だが、まだ投資をやったことがない人や、投資を始めても次の一手がわからない人も多いかもしれない。そんな中、世界600万部突破『サイコロジー・オブ・マネー』著者モーガン・ハウセルとゴールドマン・サックスCEOが絶賛する全米ベストセラーが話題となっている。世界的ベストセラー『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』の著者で、「世界最高のビジネススクール教授50人」に選出されたニューヨーク大学スターン経営大学院教授スコット・ギャロウェイの『THE ALGEBRA OF WEALTH 一生「お金」を吸い寄せる 富の方程式』だ。9社を起業した連続起業家でもあり、日本で「GAFA」という言葉を定着させた全米屈指の人気教授が明かす「世界最先端の“お金と人生”の戦略」とは? 本書から抜粋・編集してお届けする(構成/ダイヤモンド社・寺田庸二)。 ● 借金は本当に「悪」か? 借金はパーソナル・ファイナンスにおいて論争の的になるテーマであり、人によって考え方が違う。 私の場合は、「借金は武器になるが、諸刃の剣なので慎重に扱うこと」と考えている。 長期的な資産のために長期的な負債を抱えるのは賢い方法であり、天才的でさえある。 借金は「レバレッジ」を可能にする。 てこと支点があれば、かけた力を何倍にも増やせるように、借金はお金を稼ぐ力を何倍にもする。 金持ちや企業が借金を好むのは、このレバレッジの力があるからだ。 もし100万ドルの家を現金で買い、その価値が200万ドルに上がれば、お金を倍に増やしたことになる。それはいいことだ。 しかし、もしその100万ドルの家を20万ドルの自己資金と80万ドルの住宅ローンで買い、価値が200万ドルになったときに売却し、住宅ローンを完済して120万ドルを手元に残せば、自己資金の20万ドルで120万ドルを手に入れたので、資金を6倍に増やしたことになる。 これがレバレッジの力だ。 増やしたのはどちらも100万ドルだが、後者の場合は20万ドルでそれを実現できる。 ● 「機会費用」の重要性 本書では「機会費用」を説明した。 機会費用とは、実際とは違う選択肢を取っていた場合に得られたであろう利益のことだ。 借金をすることで、80万ドルを他の投資に回せるようになるのだ。 基本的に、住宅ローンを活用した住宅購入は、健全なパーソナル・ファイナンスの戦略だ(これについては、次章で資産クラスとしての不動産について説明する際に詳しく取り上げる)。 車の場合は少し話が複雑になる。 自動車ローンは、移動手段を手に入れるためというより、高価な車に乗るために使われることが多い。 車のセールスマンは、客に「私はどのくらい良い車が買えるだろう?」と考えさせようとする。 だが、客が考えるべきは、「私にはどのくらいの車で十分だろうか?」だ。 車のローンは、消費支出へのコミットメントになる。 高級車を所有することに喜びを感じるなら、できれば購入前に十分な頭金を用意するか、一括購入しよう。 そうすれば、その車を所有することをより楽しめるようになるはずだ。 (本稿は『THE ALGEBRA OF WEALTH 一生「お金」を吸い寄せる 富の方程式』の一部を抜粋・編集したものです)
スコット・ギャロウェイ/児島 修