グリコとジェイエア、赤ちゃん連れ空旅を支援 液体ミルクを無料提供
江崎グリコと日本航空（JAL）子会社で国内線を運航するジェイエアは23日、大阪（伊丹）空港で記者会見し、子連れ客の航空機旅行を支援する共同プロジェクトを11～12月の期間限定で実施すると発表した。ジェイエアが11月1日～12月15日に運航する全便、累計1万便強を対象に、乳児を連れた客の希望者に江崎グリコの乳児用液体ミルク「アイクレオ 赤ちゃんミルク」1本を無料提供する。 機内で初めて提供されるという江崎グリコの液体ミルクは湯で溶かす手間がいらず、常温で9カ月保存できる。近年は災害備蓄用の需要も広がっているが「特長は外出先で使いやすいこと」（江崎グリコ）。この利点を生かして2社で共同し、子連れでの空の旅や液体ミルクの利用場面を増やす狙いがある。 江崎グリコが7月に実施したインターネット調査によると、子供のいる20～30代の67・6％が「飛行機旅行をためらった経験がある」と回答。要因の最多は「赤ちゃんが泣き続けたらどうにもできない」（81・7％）で、「授乳やおむつ替えが大変そう」（54・9％）がこれに次いだ。 機内に生じる気圧変化の影響で耳が痛み、泣き出す子供には授乳により耳管を開かせることで落ち着くケースが多い。ただ、シートベルト着用サインの点灯時は乗務員も着席が義務付けられ、調乳などに対応できないのが実情だ。ジェイエアも「事前にミルクを渡しておけば、お客さまが着席したまま授乳ができる」と効果を期待する。 ジェイエアの担当者は「お客さまの反応をみて、継続的にミルクを提供するかは今後、検討していく」と述べ、機内サービスに導入する可能性も示す。実施期間中はジェイエア機の座席に置いている冊子や、伊丹空港内の掲示ポスターを通じて情報を発信し、他の乗客らにもプロジェクトをアピールする。（田村慶子）
