中国大使館の建設計画却下 観光や安全への影響懸念 ロンドン区議会
【ロンドン時事】英ロンドンのタワーハムレッツ区議会は10日、中国が申請していた在英大使館移転・建設計画を全会一致で却下したと発表した。 決定に拘束力はなく、英政府が最終的に判断する。英メディアが報じた。 中国が大使館の移転先としているのは、多くの観光客が訪れるロンドン塔の向かい側にある旧王立造幣局の敷地で、2018年に購入した。面積は2万平方メートル超で、完成すれば英国で最大の大使館になる予定だった。 区議会は「この地域の混雑状況を考慮すると、住民や観光客の安全、文化遺産、交通安全への影響が懸念される」と大規模デモや治安上のリスクを指摘した。中国は22年にも移転計画を申請し、却下されていた。 在英中国大使館報道官は今回の決定に対し、「再提出した計画は、英国の指針や意見を十分に考慮したものだ」と強調。「受け入れ国は外交施設の建設を支援する国際的義務がある」と反発した。