ロシア、シリア基地から撤退せず 前線からは引き揚げ=関係筋
Tuvan Gumrukcu Suleiman Al-Khalidi Guy Faulconbridge [タルトゥース(シリア) 14日 ロイター] - ロシアはシリアのアサド政権崩壊後、北部の前線などから軍を引き揚げているが、同国内の2つの駐留基地からは撤退していない。シリア当局者4人がロイターに明らかにした。 ロシアは緊密な関係を築いてきたアサド政権の崩壊を受け、西部ラタキア県のフメイミム空軍基地と地中海沿岸のタルトゥース海軍基地の将来が不透明になっている。 米衛星情報会社が13日公開した衛星写真には、フメイミム空軍基地で貨物などの積載準備ができた大型輸送機「アントノフAN─124」とみられる機体が少なくとも2機写っていた。 同基地周辺に配置されたシリア治安当局者は、少なくとも1機の貨物機が14日にリビアに向かったと述べた。 ロシア側と接触しているシリアの軍・治安当局筋によると、ロシアは前線から軍を引き揚げ、一部の重装備やシリア軍幹部を撤退させている。ただ、2つの基地からの撤収はしておらず、現時点で撤収するつもりはないという。 あるシリア軍幹部は一部の装備やアサド政権軍の上級幹部がモスクワに送られているが、現時点の目標は現地の状況に応じて再編成し、再配置することだと述べた。 新暫定政権に近い反体制派幹部は、シリアにおけるロシア軍のプレゼンスや、アサド政権とロシアの過去の合意に関する問題は議論されていないと指摘。「それは今後話し合う問題で、シリア国民が最終的な判断を下すことになる」とし、ロシアが対話ルートを設けたと明かした。「われわれの部隊は現在、ラタキアのロシア軍基地の近くにいる」とも述べたが、詳細には踏み込まなかった。 ロシア関係筋はシリア新指導者らとの話し合いが行われているとし、駐留基地から撤退はしていないと述べた。