“井戸端会議”がまるで『グータンヌーボ2』? 松岡茉優主演『ギークス』のユーモアと中毒性
奇妙なデートを通じて何かが変わった西条(松岡茉優)
傷害事件の話を聞いた若林は「やっぱりあのクマ、俺のじゃない気がしてきた」と動揺を隠せない。一方、小湊は突如として姿を消した。実は、クマのぬいぐるみには小湊のワンピースと同じ生地が一部使われており、クマは小湊がもらったものではなく、あげたものだったのだ。真相に近づくにつれ、それぞれの主張が揺らぎ始める。 そんな中、西条たち3人がいきつけの居酒屋で行う井戸端会議に、安達が突然現れる。2人きりのデートを前に、西条の好みを探りたい安達だが、その唐突な登場に場は一瞬戸惑いを見せる。しかし、意外にも安達はすぐに場の雰囲気に馴染んでいく。 田中みな実と滝沢カレンに挟まれ、「(西条の)どこが好きなの?」と、まるで女子会の主役であるかのように安達が質問される場面は、まるで人気トーク番組『グータンヌーボ2』のワンシーンのよう。不器用な西条と安達のチグハグなコミュニケーションと、軽快なトークを繰り広げる女性陣とのコントラストが、本作特有のユーモアを際立たせる。 捜査は着々と進み、クマには若林が働いていた店の珍しい日本酒が付着していたことから、犯人が若林であると判明する。階段で被害者とトラブルになった若林は、自転車を盗んで逃走したのだった。一方で、小湊が初恋の人にあげたクマは、ビジネスのお守りとして彼の部下たちに受け継がれていたことが明らかに。こうして、一体のクマのぬいぐるみを巡って始まった小鳥遊署の騒動は、思わぬ展開を見せながらも幕を閉じた。 そしていよいよ、安達との関係性にも進展が……と思いきや、仕事に気を取られ、デートに大幅に遅れて到着した西条。西条を応援したいと語る安達だが、その後はほぼ居眠りに終始し、会話らしい会話はほとんどない。 それでも、この奇妙なデートを通じて西条の中で何かが変わったようだ。「私にとってあなたは、特に害がないことがわかりました」という西条の言葉に、安達は思わぬ喜びを感じる。二人の関係に、微妙ながらも確かな進展が見られた瞬間だった。ちょっと変わった3人の日常と非日常が交錯する中で、小鳥遊署には、また新たな事件と騒動が待っているに違いない。
すなくじら